マナビジョンキャリアトップスキルアップ自分の“長所”をデザインする デザイナーが教える、就活生のための思考整理術

自分の“長所”をデザインする。
デザイナーが教える、就活生のための思考整理術

  • スキルアップ
  • 2017.08.28

就職活動のエントリーシートや面接で必ず求められる“自己PR”。「他の人と違う、何か特別な長所があるわけではないし……」と、悩んでしまうこともあるかもしれない。自分の長所を、企業に魅力的に伝えるにはどうすればいいのだろうか?

今回お話を聞かせてくれるのは、印刷物やwebにとどまらず幅広いジャンルで活躍するデザイナー・アートディレクターの大森剛さん。自分の長所や考えを「1枚の紙に整理する」という、デザイナーならではの思考整理術を教えてもらった。


自分の長所を見つけるために。
がんばりたいことと、がんばらなくてもいいこと。

出版業界で働きたいという、大学3年生の曾根奈々美さん。就職活動を目前に控えた今、なかなか自分の強みが見つけられずに悩んでいるという。そんな曾根さんの悩みに、大森さんはどのようなアドバイスをしたのだろうか?

大森さん:まずは一つずつ質問していこうか。曾根さんは、自分の長所ってどんなところだと思う?

曾根さん:強いて言えば、好奇心旺盛なところや、なんでも熱意をもって取り組めるところですかね……。でも、出版業界をめざしている他の就活生は、私よりももっと優秀で個性的だし、正直に言ってあまり自信が持てないです。

大森さん:たしかに、他の就活生が気になってしまうのはわかるなぁ。周囲の人を意識すると、ついつい自分も何かすごく変わった個性やオリジナリティをアピールしなきゃ……と思ってしまうよね。

でも実は、他の人より目立とうとがんばりすぎると、自分を見失ってしまうことがある。それよりも、がんばって考えたいポイントは次の3つ。「①相手(行きたい会社)のニーズを知ること」「②自分の長所を知ること」、そして「③相手のニーズと自分の長所がマッチするポイントを探すこと」なんだ。

曾根さん:なるほど……。他の人が気になってしまって、無理に自分を作ろうとしていたかもしれません。

大森さん:じゃあ、まずは「①相手(行きたい会社)のニーズを知ること」から始めよう。曾根さんの行きたい出版社の採用担当者は、どんな人を採用したいと考えていると思う?

曾根さん:会社に貢献できる人、だと思います。あとは、熱意を持って仕事に取り組める人、ですかね?

大森さん:そう、企業の人はまず、そこを第一に考えているよね。アピールしたい自分の長所を考えるときに一番大切なのは、相手が何を求めているかをじっくり考えること。次は、「②自分の長所を知ること」。相手のニーズに応えられそうな、自分の長所を書き出してみよう。ベタなことでもいいから、「この人の抱えている悩みは、私のこういう長所で解決できるかもしれない」と考えてみよう。

僕も商品の広告をデザインするときは、まず“ユーザー目線”で考える。ユーザーはどんな悩みを抱えているのか?商品にどんな長所があったら喜ぶのか?とじっくり考え、それに応えられそうな長所を一つひとつ書き出していく。こうやって紙で俯瞰して見ると、商品の特徴のうち、ユーザーが本当に喜ぶポイントを客観的に見られるようになるんだ。

曾根さん:そう言われると、自分にもアピールできる長所がある気がしてきました!

相手のニーズと、ニーズに応えられそうな自分の長所を書き出していく。
マッチするポイントはあるだろうか?

大森さん:それじゃあ、次は「③相手のニーズと自分の長所がマッチするポイントを探すこと」。出版業界で活かせる曾根さんの“長所”って何だと思う?

曾根さん:どんな企画でも熱意をもってコツコツと取り組めるところは、出版業界でも活かせるんじゃないかと思います。

大森さん:なるほど。相手のニーズと、曾根さんの持っている長所がマッチするポイントがぼんやり見えてきたね。大切なのは、自分の長所を大事にしながら、相手の望む長所とのマッチングポイントを見つけること。でも注意して欲しいのは、相手の喜びそうなことを言おうと思うあまり、自分を見失ってしまうこと。自分が持ってない長所をアピール、つまり、自分を偽って仮に内定をもらったとしても、仕事は長続きしないよね。

自分の長所を相手にわかりやすく伝えよう。
ポイントは「具現化」

大森さん:採用担当者と自分との関係を一つひとつ紙に整理したことで、「どんな企画でも熱意をもって取り組める」という曾根さんの“長所”が見えてきたね。次は、それをどうやって相手に伝えるかが大事になってくる。ただ、「私は何でも熱意をもって取り組めます!」と言うだけでは、残念ながらまったく心に響かないよね。たくさんの志望者がいるなかで曾根さんの長所を印象づけるためには、それをわかりやすく「具現化」することが重要なんだ。

曾根さん:「具現化」って、どういうことでしょうか?

大森さん:たとえば、企業のロゴマークは、ひと目でその企業の長所や経営理念がわかるようにデザインされている。言葉で説明しなくても、その企業の価値が瞬時に伝わるようになっているんだ。これが「具現化」。

自分のロゴマークをデザインしてみるというのも一つの手だけど、必ずしもそれだけじゃない。デザインには、ロゴマークやパッケージのような“モノのデザイン”と、価値をわかりやすく整理して伝える“コトのデザイン”がある。状況に応じて、「相手が理解しやすい表現方法を考える」のがポイントなんだ。

曾根さんの“なんでも熱意を持って取り組める”という長所は、どう具現化すれば相手に伝わると思う?

曾根さん:「会社がつくっている本を事前に調べて、あまり売れていない本の改善点や自分の考えをレポートにまとめていく」とか……?

大森さん:いいアイデアだね!具体的なモノを作って見せる、というのはすごく大事。デザイナーの仕事にもプレゼンがあって、提示された予算や制作期間から「自分ならこんな展開を考えますよ」と相手に伝えるんだけど、言葉で「一生懸命やります!」と言うだけでは間違いなく不採用になる。どれだけ具体的なモノを提示できるか、というのがとても重要なんだ。

曾根さん:なるほど。自分のアピールポイントの“証拠”になるモノを見せるのが大切なんですね。

曾根さんの長所を魅力的に伝える方法が見えてきた!

大森さん:“証拠”のクオリティにこだわるよりも、「自分の言っていることを、どれだけ徹底してやっているか」を意識したほうが良い。そのために、まずは自分の長所がいちばん輝く表現方法を考えてみよう。その表現が一人よがりになってはいけないので、「相手が望んでいること」と「自分の長所」をなんども摺り合せながら考えるのが重要。これもデザイナーの仕事と一緒だね。

デザイナーは瞬時にすばらしいアイデアを思いついてアウトプットできると思われがちだけど、そんなことはない。相手(ユーザー)のニーズと自分(商品)の長所をなんども比較しながら、「どんな表現方法があるのか?」と地道に考え続ける仕事なんだ。ほかには、どんな表現方法があると思う?曾根さんには「好奇心旺盛」という強みもあったよね。

曾根さん:そうですね……。特に海外旅行が好きなので、旅行雑誌の企画をつくって見せるのもできそうです。

大森さん:なるほど。たとえばどんな国に興味がある?それはなぜ?

表現はなるべく具体的なほうがいいからね。

曾根さん:最近はカザフスタンに興味があります。治安が悪いので女性の旅行客には敬遠されがちなんですけど、安全に旅行できる方法があれば、みんな知りたいと思うんです。

大森さん:おお、「女の子でも安心して行けるカザフスタン旅行」か!もう企画がひとつできそうだね。これできちんと企画書をまとめていけば、曾根さんの「好奇心旺盛」という長所も相手に伝えることができる。「何でも熱意を持って取り組める」、「好奇心旺盛」という曾根さんの長所が、言葉で説明するよりも説得力をもって伝わるはずだよ。

自分という「ブランド」を大切に。
軸がブレそうになったら1枚の紙に立ち返ろう。

曾根さんの思考をまとめた紙がこちら

大森さんからレクチャーを受け、頭のなかが整理できたという曾根さん。自分と相手の関係、そして自分の長所を具現化するためのプロセスが1枚の紙に浮かび上がってきた。

曾根さん:自分が置かれている状況を絵に描いて目に見える形にすることで、頭の中を整理することができました。就活では、自分と相手(採用担当者)の関係を考えればいいのであって、他の就活生を意識しすぎてしまうと、自分らしさを見失ってしまうのだと気づいてハッとしました。自分のアピールポイントをただ言葉にするのではなく、相手に伝わるように具現化していけば、自信を持って就職活動に臨めると思います!

大森さん:もっとユニークでないといけないのでは、人と異なる特別なことを言わないといけないのでは…と心配する人も多いと思います。でも、他の人のことを意識するよりも、相手を知り、自分を知り、マッチングポイントを探すこと、その3つをがんばって考えて、自分ならではの「一枚の絵」を描ければ、これから就職活動に臨むうえでの明確な作戦ができるはずです。

たとえ就職活動中に自分の軸がブレてしまいそうになっても、この1枚の紙があれば、しっかり「自分」に立ち返ってくることができる。自分にとって無理のない、嘘のない長所を相手が興味を持つような形に「具現化」することが重要なんです。その結果、選考に落ちてしまったのならむしろラッキー。その企業はありのままのあなたとは合わないか、あるいはニーズと違ったということですから。

就活生のみなさんには、自分が持っている長所をいちばん輝かせる方法をしっかり考えてほしい。相手に伝わる形に具現化できてはじめて、それは「自分の価値」、つまりブランドになる。自分というブランドをしっかり作り上げて、就職活動に臨んでください!

今回、紹介したのは大森さんの思考整理術のほんの一部。興味をもった方は、ぜひUdemy講座でより深くデザイナーの頭の中を覗いてみましょう。就職活動に役立つこと間違いなしのスキルが身につきますよ!

プロフィール

大森剛さん
アートディレクター/デザイナー

1976年生まれ、2001年岡山大学環境理工学部卒業。有限会社オフィスティを経て、2005年有限会社トリプレットデザイン設立。広告・商品のコンサルティング、企画および制作に従事。JAGDA会員。東京タイポディレクターズクラブ会員。

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