マナビジョンキャリアトップ働き方【Career Interview】平和構築の専門家 瀬谷ルミ子さん やりたいことには「使用期限」がある

【Career Interview】平和構築の専門家 瀬谷ルミ子さんやりたいことには「使用期限」がある

  • 働き方
  • 2017.06.19
プロフィール

瀬谷ルミ子さん
特定非営利活動法人 日本紛争予防センター(JCCP)理事長。中央大学卒業後、イギリスの大学院に留学。紛争地の支援などについて専門的に学んだのち、国連PKOや外務省やNPOなどの一員としてルワンダやアフガニスタンといった紛争地の復興や紛争予防など、平和への働きかけのために尽力している。2011年には『Newsweek日本版』の「世界が尊敬する日本人25人」に選出されるなど、各界の注目も集めている。


やりたいことには「使用期限」がある

進路を決定づけたのは1枚の報道写真

紛争地で仕事をしたい。そう思うようになったのは、高3のとき。将来やりたいことを見つけようと、新聞をパラパラとめくっていたときに、ふと目に留まった1枚の報道写真がきっかけです。ルワンダの難民キャンプで、コレラで死にゆく母親を泣きながら起こそうとする男の子。衝撃的だったのはもちろん、その写真をお菓子を食べながら見ている自分とのギャップに、「この違いは何だろう」「もっと知りたい」という思いがわいてきたんです。

そこであれこれと調べてみれば、課題はたくさんありそうなのに、日本ではまだ学べるところがほとんどないことがわかってきた。ということは、専門性を身につければ、私も何かしら貢献できるかもしれないわけですよね。小さいころから劣等感のかたまりで、「人と同じことをしていたら負けてしまう」という思いが人一倍強かった私には、そのこともチャンスに思えて、強く突き動かされたんです。

だれかに先を越されまいと、突き進んだ大学時代

そうと決まれば、だれかに先を越される前に行動あるのみです。国際関係を学べる大学に進み、大学の図書館で、アフリカや紛争に関する書物を読み漁り、研究者に電話をかけて話を聞きにいき…。と同時に、実践的な英語を身につけるために、外国人のパーティーに顔を出したり、世界各国の学生が一緒に旅をするツアーに参加したり、行動資金を作るためにアルバイトをしたりと、着々と前に進んでいきました。

そして大学3年の夏休みに、ついにルワンダでホームステイをする機会を得られたのですが…。行ってみて愕然。「私も何かしらの役に立つんじゃないか」という淡い期待に反し、1か月しかいない日本の学生に頼る人なんていないわけで、知識と技術不足を痛感させられましたね。だからスキルを身につけようと、帰国してすぐにルワンダの支援をしている団体のインターンに。その矢先にイギリスに紛争解決について学べる大学があることを知り、今度は大学院に留学して知識をつけながら経験を重ねていくうちに、インターンでお世話になった団体から、「ルワンダの事務所で働きませんか」と声をかけていただいたのが社会人としての第一歩になりました。

行動すると次の一歩が見えてくる

目標を実現するために私が大切にしてきたのは、「選択」と「行動」。そして、やらない言い訳をしないということです。どういうことかというと、例えば大人になって「ピアニストになりたい」と思い立っても、さすがに難しい話ですよね。私で言えば、ルワンダでホームステイだなんて大学生だからこそ実現できたことだし、その大学の夏休みだって限られているわけです。つまりやりたいことには「使用期限」があって、それは皆さんがやりたいと思っていることの一つひとつにも、もちろんあるはず。だから1年後、3年後にも自分の前にある選択肢なのかを常に意識しながら、今しかできないこと、今動き始めるべきことを「選択」していくといいと思います。何をすべきか見えて来たら、次は「行動」することが大事です。

そして今しかできないことが見えてきたときに、「面倒くさい」「遠い」なんて言い訳をしないで、「行動」することが大事です。頭の中でもやもやと考えているだけでは何も変わらないけれど、一歩でも動くと周りの人が反応したり、頭の中で化学反応が起きたりして、また次の行動が見えてくるものです。という私もかなりの出不精で、放っておいたら、家で横たわってずっとネットをしてしまうようなタイプなので…。周りに宣言してしまうなど、自分が動かざるを得ない工夫をして、「行動」するように心がけています。

瀬谷さんに聞きました

進む道を迷っている人へ
  • 人と違うところにこそ、付加価値があるもの。好きなことや興味のあることを突き詰めていくことで、何らかの仕事に、きっと突き当たると思います。メジャーかどうかを基準に行き先を選ぶのも一つですが、自分のアンテナが反応した道を進むことで、会社名や役職名といった肩書きがなくなっても自分でいられるような、働き方にもつながるのではないでしょうか。
まだやりたいことが見つからない人へ
  • 今は情報が多いので、参考例が周りにたくさんあって、やりたいことがわからなくなりがちですよね。そういう場合は、怒りでも、感動でも、驚きでも…。自分の心が反応したことを記録しておくのがおすすめです。あとで読み返してみると、「自分ってこんなことに興味があるんだ!」ということが、見えると思いますよ。

書き損じハガキで紛争地を支援しよう!

瀬谷さんが理事長を務めるJCCPでは、書き損じハガキを切手に換え、それをさらに現金に交換することで、紛争地の子供の心のケア事業などに役立てています。詳しくはHPをチェック!

JCCPのホームページ

瀬谷ルミ子さんの半生をつづった1冊

1枚の報道写真を見て、紛争地に興味を抱いた瀬谷さんが、「武装解除」の専門家になるまでをつづった自伝エッセー。

作品名職業は武装解除
価格626円(税込み)
出版社朝日新聞出版

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