マナビジョンキャリアトップ働き方【Career Interview】昆虫学者 丸山宗利さん 好きなことを究めるにも戦略が不可欠!

【Career Interview】
昆虫学者 丸山宗利さん
好きなことを究めるにも戦略が不可欠!

  • 働き方
  • 2017.10.16
プロフィール
丸山宗利さん
農学博士。九州大学総合研究博物館准教授。北海道大学大学院 農学研究科 昆虫体系教室で博士号を取得後、国立科学博物館やアメリカ・シカゴのフィールド自然史博物館に研究員として務めたのち、九州大学総合研究博物館へ。約400万種の昆虫標本を管理しながら、国内外に昆虫調査に出向き、新種や新属を発見する日々。好蟻性昆虫(アリと共生する甲虫)の研究では、アジアでの第一人者である。

ニュースをきっかけに昆虫の道へ

子どものときから、虫や魚といった生物が大好き!高校時代も登山部に所属して、出かけた先の野山で昆虫を採ったり、標本を作ったりしていましたね。一方で、文学や哲学にも興味があった僕が進路選択の際に選んだのは、大学の文系学部を目指すための文系クラス。それが、ある新聞記事をきっかけに、好きな昆虫を究める道へと方向転換することになったんです。

環境破壊にも関心を抱いていた僕の目にとまったのは、絶滅危惧種であるアホウドリの保護のニュースでした。保護活動によって数十羽が500羽ほどにまで増えたというその内容に、実は哲学や政治面から環境問題を解決できないかと考えていた僕は、自分で手を動かして環境保護に貢献するほうがいいんじゃないか、そう考えて、迷うことなく理系に進路変更。そして理学部に進んで学んでいるときに、今度は昆虫にはまだまだ新種がいることを知ると、昆虫分類学の分野で活躍されていた先生に弟子入りを志願。新種を見つけては論文にまとめて発表するという研究のおもしろさに、はまってしまったわけです。

確実に市場価値を高めるために

そうして研究の道を歩むことになった僕ですが、ただただ好きなことをやり、博士号を取得して、ここにたどり着いたわけではありません。大学や博物館などの研究機関に所属する学者になるには、実績やキャリアがものを言います。だからこそ、大事にしたのが戦略。どういうことかというと、実績を積むには発見した新種を解剖して絵を描き、より多くの論文を発表するしかないのですが、そこに締め切りはないわけですよね。となると、人はどうしてもさぼりがちになる。だからこそ「今晩中に絶対にこれは終わらせる」と締め切りを設けたり、効率を考えたりして、確実に形に残すように心がけてきたんですよね。それが、評価にもつながったのだと思っています。

戦略を練って一生懸命にやろう

仕事が人生のすべてではありませんが、人生を楽しむには、やはり楽しめる仕事をするのが理想だと思います。ただし、ピンポイントにこだわりすぎると道が狭まってしまうから、例えば「クワガタの仕事をしたい」よりも「生物の仕事をしたい」という具合に、柔軟に構えることも必要。そうして「自分がどうしたら抜きん出られるか」を考えて、戦略を練って一生懸命に努力すれば、必ず結果はついてくると思います。僕にとってはそれがハネカクシという好蟻性昆虫(※)の研究だったわけですが、この研究で10年以内に、英語の教科書を出すことがもっぱらの目標です。

※アリと共生する甲虫

丸山宗利さんの書籍

書籍名昆虫こわい
価格1,000円(税別)
出版社幻冬舎

カメルーンでハエに刺されて死の病におびえ、ギアナでは虫採りが楽しすぎて不眠症になり……。丸山先生の知られざる調査の実態や、虫の驚くべき生態をまとめた、笑いと涙の昆虫調査旅行記!

書籍名わくわく昆虫記 憧れの虫たち
価格2,000円(税別)
出版社講談社

丸山先生と、学習ノートの昆虫写真でおなじみの昆虫写真家が強力コラボ!たっぷりの昆虫写真とともに、丸山先生の少年時代の虫との出会いを振り返ったエッセイ。

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