マナビジョンキャリアトップ働き方【Career Interview】弁護士 菊間千乃さん やって無駄なことなんて一つもない

【Career Interview】弁護士 菊間千乃さんやって無駄なことなんて一つもない

  • 働き方
  • 2017.11.20
プロフィール
菊間千乃さん
早稲田大学法学部卒業後、アナウンサーとしてフジテレビに入社。バラエティ番組や情報番組などを数多く担当するなか、2005年に法科大学院大学に入学し、2007年には司法試験に専念するためにフジテレビを退社。2010年に司法試験に合格し、司法修習を経て、紛争解決や一般企業の法務などを手がける弁護士となる。

アナウンサーという夢に向かってまっしぐら

子どもの頃から、目標に向かってひた走るタイプなんです。例えば小6のときに「フジテレビのアナウンサーになりたい」と思ってからは、夢に向かってまっしぐら。アナウンサーの本を読みあさり、ニュースをこまめにチェックし、同じように小3からあこがれていた早稲田大学を受験する際には、報道に携わる際にプラスになりそうな学部を選び…。法学部に進学してからも、警備員からウェイトレスに至るまで約30種類のアルバイトをやって、育った環境や異なる世代の人たちと交流。それもまた、いろいろな人の言葉を引き出すアナウンサーという仕事をするためには、人生経験を重ねて、人間としての深みを出す必要があるだろうという思いからのことでした。

10年後も仕事で活躍するために

そうして叶えたアナウンサーという仕事は、想像以上に楽しくて、毎日が文化祭のようでした。番組で取り上げたものが売り切れになるなど、その反響が、テレビっ子の私にはとても嬉しかったです。その一方で常に危機感を感じていたのは、女子アナウンサーのほとんどが、結婚や出産をきっかけに第一線から退いていくという現実。つまり、女子アナには、寿命があるということでした。そこで入社前から私が描いていた人生設計は、「20代はレールに乗って全力で走りきり、28歳になったら結婚。出産して育休に入ったら、司法試験の勉強をしよう」というものでした。そうして法曹資格を持ったアナウンサーという、オンリーワンになれれば、アナウンサー寿命を延ばせるかな、と考えたんです。

とはいえ20代の頃は、目の前の仕事をこなすことに精一杯。法律の勉強なんてしないまま30代に突入していた私の前に、転機が訪れました。番組でご一緒した弁護士の方から「ロースクールができるんだよ。法学部出身なんだし、夜間もあるから、通ってみたら?」と声をかけていただいたんです。夜学なら仕事と両立できそうだと思い、挑戦してみることにしたんです。

もちろん、仕事が終わってから埼玉にあるロースクールに通い、深夜に帰宅するという生活は大変でしたが、環境の違うクラスメートと会うのも、先生方から実際の裁判のエピソードを聞くのも楽しくて、どんどんのめり込んでいきました。でもそんな生活が3年ほど続いたときに、新司法試験の結果が出て、愕然としたんです。ロースクールを卒業したら8割は合格するってことだったのに、実際の合格率は、だいぶ低くて。「このままじゃ受からないな」と思いました。最初はアナウンサー寿命を延ばすための勉強だったのが、その頃は、司法試験に合格したら、弁護士として活動したい、法律を知識のままで終わらせたくないという気持ちが強くなっていた時期でした。たった3回しかない司法試験のチャンスに精一杯取り組まないと、きっと一生後悔すると思いました。そこで退路を断って、2年間の猛勉強のすえ、弁護士という第二の夢を叶えました。

自分なりの工夫をしよう

弁護士になって思うのは、無駄なことなんて一つもないということです。というのも、さまざまなクライアントとやりとりする弁護士という仕事をするにあたって、アナウンサーとして多くの人と接してきた経験、引いては、大学時代にアルバイトでいろいろな人と交流した経験がすごく役に立っているんです。さらに言えば、司法試験に向けて勉強をしていた私を支えていたのは、早稲田大学に入りたい一心で勉強し、みごとに合格を果たしたという10代の自分のがんばりでした。

皆さんのなかにも、思いどおりの仕事に就けなかったり、入ってから「何か違うな」と思ったりする人が出てくるかもしれません。でも、どんなこともきっと役に立つ日が来ると思うんですよね。何らかの事情がない限りは、「ここは違う」なんて即断せずに、まずは石の上にも3年の精神でがんばってみたらいいと思います。ただし、言われたことを、ただやるだけでは成長もやりがいも少ないと思うので、当たり前の仕事をいかに自分らしくできるか、という視点で取り組んでみてはいかがでしょうか。例えばお茶出し一つとっても、今日は暑いから麦茶にしようとか、日本茶を丁寧においしく入れてみるとか。当たり前の仕事でも、丁寧に愛情を込めて行っていると、必ず相手に、その熱は伝わると思います。自分流の気配りや工夫を盛り込むようにすると、どんなことでも前向きに取り組めるし、周りにも、差をつけられるんじゃないかなと思います!

菊間さんに聞きました!

今も未来も楽しむために、菊間さんがやっていることは?
  • 1日の終わりに好きなことをする
    なりたい自分をめざして体を鍛えるでもいいし、大好きな洋画を観るでもいいし…。1日10分でいいから、自分を満たすための時間を持つといいと思います。それだけで気持ちが充実するし、いつかきっと、それが何かにつながるときが来るはず!ちなみに私は、大好きなワインの本を読んだりしていますよ。
菊間さんの今の目標は?
  • 好きなことを仕事にするために!
    人種やジェンダー、宗教などによる差別をなくしたいと思い、NPO法人の活動に、弁護士として参加しています。それからワインが大好きなので、ワインエキスパートという資格を取って、ワインについて勉強しています。日本ワインって美味しいんですよ。日本ワインが世界に羽ばたく際に、法律家として何か貢献できたらとってもうれしいですね。

菊間千乃さんの著書

書籍名私が弁護士になるまで
価格550円(税抜)
出版社文藝春秋

アナウンサーとして活躍していた菊間千乃さんが、弁護士になるまでをつづった手記。当時の迷いのほか、仕事への思いやアナウンサーと弁護士の共通点なども掲載されていて、弁護士になりたい人はもちろん、これから社会人になるすべての人におすすめの一冊!

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