マナビジョンキャリアトップ働き方【Career Interview】川崎フロンターレ フィジカルコーチ 篠田洋介さん 興味がわいたら、まずはそこに向かってみる

【Career Interview】川崎フロンターレ フィジカルコーチ 篠田洋介さん興味がわいたら、まずはそこに向かってみる

  • 働き方
  • 2018.05.01
プロフィール
篠田洋介さん
Jリーグ・川崎フロンターレのフィジカルコーチ。高校卒業後にアメリカに渡り、大学と大学院でスポーツにおけるコンディショニングの専門知識と技術を身につける。帰国後は専門学校講師やトップアスリートのトレーナーなどを経て、2003年より横浜F・マリノスのフィジカルコーチに就任。実績が買われ、2017年より現在の川崎フロンターレへ。

ケガの経験がフィジカルへの興味につながった

フィジカルコーチというのは、スポーツ選手がケガをせず、最高のパフォーマンスを発揮できるように、肉体面のコンディショニングをサポートする仕事です。僕の場合は、2002年からJリーグのチームに所属。技術系のコーチなどと相談しながら、トップチームの選手たちがより体力を向上できるような要素を練習メニューに取り入れたり、ケガをした選手が早く復帰できるように補強トレーニングを考えたりと、チーム全体がいい状態で試合に臨んでいけるように日々活動しています。

起点となったのは、サッカーをやっていた高校生の時でした。捻挫(ねんざ)だと言われていた中学生時代のケガが治らず、調べてみれば、手術をするほどの大けがだった。そこで手術に踏みきったものの、膝の感覚までは、元には戻らなかったんですよね。しかも、当時はMRIのような機材も、専門的なリハビリテーションもあまり普及していなかった時代。専門書などを頼りに自己流の筋トレなどをして、運動機能を回復させようと試行錯誤するうちに、体の機能などにも興味を持つようになっていったわけです。

本格的に学ぶためにアメリカへ

そんな僕が高校卒業後の進路として選んだのが、スポーツについて学べる学科がある、アメリカの大学の日本校でした。といっても「体育教師になりたい」くらいの意気込みだったのですが、英語を極めたくて入学する人が多いなか、英語にはあまり興味がなく、むしろ体のことを学びたいという学生は目立ったんでしょうね。先生から「どうせなら本場のアメリカで勉強したらどうか」と背中を押してもらったのをきっかけに、とんとん拍子で話が進み、アメリカの大学に入り直すことになりました。

ただ、いくらやりたい学問だからといっても、英語で学ぶわけですから、最初の2年間くらいは苦労の連続でしたね。でも、あきらめて日本に帰るのは恥ずかしい。その一心で英語や学問と格闘し続けるうちに、友達ができ、授業に慣れ、勉強にも面白みが出てきました。それと共に、アメフト部に所属したり、インターンや教育実習に行ったり、現場での経験を踏むうちに見えてきたのは、「体育の先生よりも、よりレベルの高いアスリートのサポートをしたい」ということ。そこで、大学院へ進んでさらなる知識と技術を身につけたのち、10年間の武者修行に区切りをつけ、日本でフィジカルのプロになろうと決めて帰ってきたんです。

好きなことだからこそ前に踏み出せた

でも、いざ日本に帰っても、仕事のツテもなければ、実績もない。フィジカルコーチなども周知されていないなかで、どこの何者かもわからない僕を、欲しがる企業やチームなんてないわけですよね。そこでまずトライしたのが、体育学部のある大学に直談判して、なかばボランティアとして働かせてもらったり、スポーツ関係の企業の求人を見つけてトレーナーとして仕事をしたりするということ。そうしているうちに経験と実績を重ねられただけでなく、ツテもでき、念願のサッカー界に足を踏み入れることができたわけです。

そこから15年。2017年にはついにチームのリーグ優勝にも関わることができ、とてもうれしかったのはもちろんですが…。それよりも、実はホッとしたというのが正直なところです。というのもフィジカルコーチは、結果が出なければ必要性をわかってもらえない仕事。結果が出ればさらに選手からの信頼も高まり、よりパフォーマンスを上げていけるわけですよね。だから今後も選手とのコミュニケーションを大切に、日々新しい情報にも目や耳を傾けながら、さらに上をめざして取り組んでいきたいと思っています。

楽しめることを見つけて行動しよう

念願のフィジカルコーチとなった今は、興味のあることが仕事になって、とても幸せを感じています。もちろん、だれもが好きな仕事に就けるとは限りませんが、僕の場合は興味のあることだったからこそ、あまり得意ではなかった英語もがんばれたし、実績のない世界で前に進むことができたんだと思います。だから、皆さんもまずはいろいろな知識に触れ、経験して、自分が楽しめることや、やりたいことをはっきりさせること。そして、そこに向かって一歩を踏み出すことが、やりたい仕事をかなえる一歩になるんじゃないかと思います。

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