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研究File.01 生物多様性

生物多様性✕お魚らいふコーディネーター

【Profile】
おさかなライフ・コーディネーター:さかなクン

東京都出身。東京海洋大学客員准教授。小学生の頃から魚好きで、持ち前の好奇心と行動力で幅広い知識を習得。中学生の時、日本では珍しい、水槽でのカブトガニの人工孵化に成功。学生時代にクイズ番組に出演し優勝、その後5連覇達成。豊富な知識量に加え、魚たちへの愛情あふれるコメントやイラストから、一躍人気者に。現在は、テレビやラジオ番組への出演、イラストやコラムの執筆、講演などで多忙な日々を送る。

Q.1 海の生物に興味を持ったきっかけを教えてください。

<得体の知れない生き物に大興奮>

もともと絵を描くことが大好きで、最初に夢中になったのはトラックです。街の中で走っている様々なトラックを見つけては、感動してじっくり見て、家に帰って画用紙に絵を描くという毎日でした。
そんなある日、今まで見たこともない生き物に出会ったんです。友達が描いたタコでした。「ホントにこんな姿の生き物がいるの!?」とものすごく感動!! 本物の姿を見たい一心で、図書館や魚屋、水族館、そして海にどんどん通いました!! 海にはタコを始め、魅力いっぱいの様々な生き物が暮らすことを知り、わくわく! 感動がどんどん膨らみました。感動が覚めないうちに、家に帰るとすぐに出会った海の生物たちの絵を描くことに熱中しました。

<生物の息づかいを感じてみよう>

初めて海に潜ったのは、小学生の時でした。夏休みに親戚の暮らす千葉県白浜の海に行き、磯に暮らす様々な海の生物たちに出会いました。お魚たちを観察していると、種類によって大きさや形、色などが違うことにびっくりしました。また同じ種類でも、人と同じでよーく見るとお顔の表情などが1匹1匹違うことに驚きました。どのお魚も、一生懸命に生きている姿は力強くて、命がけで卵を守る姿などを見ると、感動のパワーをいただけます。
 海の中には、小さな海老やナマコ、海藻など、いろいろな生物が集まって、みんなが共存しているんですね。生き物たちを知れば知るほど、それを育む海全体のことが少しずつわかってきました。そして、お魚、エビ、イカ、タコ、貝、サンゴ、海藻、プランクトン、微生物、どの生き物にもそれぞれ自然界での役割があることも分かります。

Q.2 海の生態についてどんなことを感じますか?

<日本の海は世界トップクラスに種類が多い!>

日本の海は、なんと!! 世界で一番生き物の種類が多いことが、アメリカの科学誌で発表されたそうです。北海道や東北など、日本海側には海藻が豊かな海の森。沖縄には、美しいサンゴ礁。そして各地の海に干潟や藻場など、様々な環境があります。生き物には環境に合った大きさ、姿、形、色、模様、習性があります。環境の多様さが生き物の多様性に結び付きます。日本には世界でもトップクラスの海の環境の多様性があるのですね!! とってもうれしいでギョざいます

<人間はすばらしい自然があってこそ!!>

生物多様性と聞いて、「自分の周りには生き物が少ないから遠くの出来事だろう」と思ってしまうかもしれません。でも、お外に出ればいろいろな鳥や虫、そして草木に花もあります!! 忘れてはならないことは、人は衣食住すべてにおいて何らかの形で自然に依存して生きているということです。人間が生きていくには、植物や動物、そしてきれいな水や空気が必要です。こうした根本的なところに気が付くと、植物や動物がおりなす世界があって、豊かな生態系があり、私たちの暮らしがあることがわかります。
自然界のバランスを崩してしまうと、様々な影響が人の暮らしにも現れてきます。生き物の多様性は、美しい自然界の生態系の姿であり、人間が生きていくうえで恩恵を与えてくれる、かけがえのないものです。ひとたび人間が横暴な行動をすれば、脅かされる対象にもなりうるデリケートなものでもあると思います。

Q.3 高校生に向けてメッセージをお願いします。

<行動をすれば、いい循環が広がっていく>

環境の破壊や乱獲などでいなくなった生き物は、二度と見られなくなることもあります。誰かに任せるのではなく、自分にできることをどんどん始めていき、続けていくことが大事だと思います。まずは身近なところでは、自分の住む地域のことなどを知ることもとっても大事です!! その地域ならではの自然、文化、食べ物などがあります。実はこんなにスゴイものが自分の周りにあるということに気付くと、すごく喜びが広がって、家族や友人、出会う人たちと会話が弾むと思います。さかなクン自身がそうでした。人との会話が弾むと、輪となり、行動範囲が広がって、自然と出会う人々が増えていきます。そこで自分が大事にしている気持ちを伝えると、さらに人と人がつながって、いい循環が生まれます!!

<感動が新しい一歩につながる>

小学校を訪ねて、さかなクンがお魚と大自然からいただいた感動や学ばせていただいたことをお伝えさせていただいています。「いただいている食べ物は命! 感謝していただきましょう」とか「食べ終わって汚れた皿は一度拭いてから洗いましょう」など、今日からすぐにできることを紹介しています。私たちにできることはたくさんあります。
さかなクン自身が子どもの頃から今も続けているのは、絵を描くこと。これからも海や各地でいただいた思いや感動が覚めないうちに、それを表現していきたいです!何かを知る喜びをきっかけに、そこから新しい何かがつながっていくと喜びもひとしおです!!さかなクンの場合はトラックに始まって、小学生の夏休みに初めて海に潜った時に感じた「海の世界はなんて豊かで素晴らしいんだろう!」という感動でした。その感動は今も続いています。

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