エコスタMENU

Column
未来をつくる環境仕事人

ひとの生活に必要なものをミドリムシからつくるお仕事

旅行先ではその土地ならではの食べ物を食べてみたり、無人島にも行ってみたりと、研究以外でも新しいことには何でも挑戦するよう心がけています!

ミドリムシを増やせば環境問題と食料問題を解決できる!

僕が研究している藻の一種「ユーグレナ」とは、「ミドリムシ」の学名です。ユーグレナは体内に葉緑体を持っているので、光合成によって二酸化炭素を吸収して成長します。さらに、高タンパクで、人間が必要とする栄養素のほぼ全てを含んでいるという特色もあります。 そこで、「ユーグレナを増やすことができれば、二酸化炭素の排出量を減らして環境問題を解決できるし、栄養価の高い食品をつくって食料不足に苦しむ人々を救うこともできるのでは?」と考えたのが、仲間と会社を立ち上げるきっかけになりました。研究者として僕は、ユーグレナを増やす方法の研究に没頭。そしてついに、2005年に世界で初めてユーグレナの食品としての屋外大量培養に成功しました。

既存の技術の改良ではなく、革新的な研究をしたかった

小学生の頃から自然科学の現象に興味を持つことが多く、「将来は人の役に立ちたい」という思いもありました。高校時代の進路選択では、「学者になって人々の役に立つ技術を生み出したい」という思いから理系へ。大学の農学部に進んでからは環境技術を専攻し、研究室の冷蔵庫を開けた時に、緑色の液体が入った試験管がズラリと並んでいるのを目にしたのがユーグレナとの出会いでした。教授から伺った、環境問題と食料問題の解決をめざすという地球規模での将来を見据えたビジョンに共感して「これだ!」と直感。もともと、既存の技術を改良していく研究よりも、新しい技術を生み出す革新的な研究をしたいと思っていたので、当時は未知の技術であったユーグレナの大量培養技術の開発に取り組めることに大きなやりがいを感じました。

友達と遊びに出かけた先でも、水がある場所を見つけると「培養に適した種類のユーグレナがいるかもしれない」と、その水をペットボトルに汲んで持ち帰っていたので、周りからは変わったヤツだと思われていたかもしれません(笑)。でも、常にユーグレナのことを考え続けていたかいあって大きなプールでの培養に成功した時は、「これは自分にとっても、地球の人々にとっても最高のプレゼントだ!」と嬉しい気持ちでいっぱいになりました。

夢は「100億人が乗っても大丈夫」という地球をつくること

ユーグレナを活用した食品や化粧品の実用化には成功したので、現在はバイオ燃料への応用や、燃料を産出した残りの部分を飼料として活用する方法の研究を進めています。会社の事業として取り組む以上は結果を出さなければというプレッシャーがある反面、自分の研究成果がすぐに具体的な商品となって消費者の方々の手に渡り、「この商品に出会えてよかった」といった反響が返ってくるところに喜びを感じます。

今後の夢は、「100億人が乗っても大丈夫」という地球をつくること。ユーグレナの事業化を進めることで、多くの人々に食料が行きわたり、限りある地下資源を消費しなくてもエネルギーを産出できる、持続可能な環境をつくっていきたいと考えています。地球全体を大きな実験フィールドとして、自分からアクションを投げかけ、新しい価値を提供していくことができる。それが環境分野での研究の仕事の醍醐味だと思います。

CLOSED UP!

どんなところで研究しているの?

株式会社ユーグレナは、神奈川県横浜市鶴見区に中央研究所を設置し、他にも沖縄県石垣市や三重県多気町にも研究所を設けている。
鈴木さんは中央研究所を拠点として、さまざまな大学や研究機関と連携しながら研究を進めている。食用のユーグレナの培養設備がある石垣島への出張もときどきあるそう。

この記事をシェアする