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Column
未来をつくる環境仕事人

自然保護活動をしながら、自然を大切に思う気持ちと知識を人々に広めていくお仕事

高校時代は3年間、学園祭の実行委員を務めました。自主的に考え行動する経験ができたことは、今につながっているように思います!

※特定非営利活動法人:法律で定められた分野において、営利を目的とせずに広く社会一般の利益となるような活動を行う民間の団体のこと。「NPO法人」とも呼ばれる。

参加者と喜びを分かち合う富士山の森林復元活動

私が所属しているNPO法人の活動は、森林や里山の復元活動や、自然に触れながら学ぶ現地講座など多岐に渡ります。なかでも、私が積極的に取り組んでいるのが、1996年の台風によって人工のヒノキ林に被害が生じた富士山の南山麓に、天然林を再生しようという活動です。富士山に生えている木から採った種から苗木を育て、春に植樹、夏に下草刈りやツタ切り、秋に種とりを行う作業を毎年続けています。

2010年度は会員に加えて175人の一般の方々も参加してくださり、370本の木を植えることができました。「自然保護活動は初めて」と言っていた人が、毎年の活動に参加するなかで自然に関する知識を深め、今度は新たな参加者に教える立場に回るケースを何度も目にしました。森林復元の作業を通じて自然を大切に思う気持ちが人から人へと伝わっていくことを実感できる点にやりがいを感じています。

「砂漠を緑化したい!」 夢をかなえる方法を探し続けた

小さな頃から緑の中で遊ぶのが好きだったので、環境問題のニュースには自然と興味を持つようになり、高校に入学した時点で「砂漠を緑化したい」という夢を描いていました。緑の再生方法を学べる大学を調べ、「ここだ!」と思ったのが東京農大の治山・緑化工学研究室。高校生のうちから研究室に遊びに行き、夢に向かって一直線という感じでした。種子の発芽率を高める研究や、植物の成長に影響する土壌条件などについてを学び、熱帯地方における造林について学ぶために大学院へ進学しました。でも、インドネシアの調査活動で目の当たりにしたのは、技術的には緑化が可能であるにもかかわらず、森林よりも耕す土地が必要だといった社会的・経済的な事情などによって緑化に着手できずにいるという現実でした。

企業や研究機関といった結果を出すことが求められる組織の一員として緑化を促進するには、こういった社会的・経済的な問題をクリアする必要がありますが、それは非常に困難なことです。そこで、大学院修了後は、研究機関から依頼された調査や企業の植林活動のお手伝いや、飲食店の経営などによって収入を得ながら、現在のNPO法人に入会して草の根レベルでの緑化活動から取り組んでいくことにしました。

長い時間をかけて自然再生に取り組めるのは、市民団体ならでは

NPO法人は、活動に必要な人材や資金をすべて自分たちで調達しなければなりませんが、一定の期間で結果を出さなければならない企業や行政機関などとは異なり、長期にわたって一つの活動を継続できるのが強みです。自然を相手にした活動では、10年、20年といった長期的な取り組みが必要ですから、強い意志のある人たちが自主的に集まる市民団体だからこそできる社会貢献の形があるように思います。

東日本大震災では、被災地の自然環境も大きく破壊されました。今後は、津波によって枯れてしまった木々の再生法を検討するなど、現地の環境修復活動にも携わっていければと考えています。長い時間をかけて再生に取り組む中で、その活動に参加してくれた人々とともに自然から多くのことを学び、自然を愛する気持ちを広めていけたらいいですね。

CLOSED UP!

森林復元活動ではどんな道具を使うの?

「森づくりは土づくり」というのが、中村さんの持論。15cmまでの目盛りがついた移植ごて(シャベル)で土を掘り起こし、断面の様子を見て土壌に微生物や有機物が含まれているかをチェックするそう。小枝やツタを切るのに役立つ折り畳み式のカマも必須アイテム。

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