高校生環境小論文コンクール

2016年度の課題と受賞作品

受賞作品
 

最優秀賞(副賞:表彰盾+図書カード15,000円分)

身近なコケ植物で地球温暖化を防止しよう【設定した立場】研究者

長岡高校 3年生 N.Tさん


細田先生からのコメント

 「コケを利用した屋上緑化」という提案を、自らの実験に基づいて具体的に証拠づけることができている点が、高く評価できます。こうした自分の経験あるいは実験というある種のエビデンスを、主張の裏づけとしてはっきりと示した文章は非常に高い説得力を持ちます。
 さらに、第2段落で「芝生を用いた屋上緑化」と比較している点もいいですね。先行研究との比較で自らの提案の効果を述べている点も、高い説得力を獲得する要因となっています。
 また、文章も全体的に短く歯切れがよくて、読みやすくまとめることができています。
 ただ、この提案が汎用的に受け入れられるにはどうすればよいかに触れられていないのは惜しい点です。そこに言及できれば、さらにハイレベルな小論文となったでしょう。

▲ほかの作品を読む

 

優秀賞(副賞:表彰盾+図書カード5,000円分)

鉄道と自転車の融合【設定した立場】鉄道会社の社長

神奈川大学附属高校 1年生 N.Sさん


細田先生からのコメント

 外国の方が駅に自転車を持ち込もうとして駅員に止められるという光景は、私も時々目にします。多くの国では電車に自転車を載せるということが実際に行われていて、満員電車は無理としても、この提案のバリエーションは、日本においても十分に実現可能と言えるでしょう。
 また、利用者の行動の動機づけがしっかり考えられている点も魅力的です。提案の3つの具体的なメリットとともに、その制度をどう運用していくかというアイデアも挙げられていて、いいですね。
 一つ改良すべき点を挙げるとすれば、第4段落の「二つ目」の実施内容の説明の中に三つ目の制度内容の説明を入れてしまっている点でしょう。これでは、読み手が三つ目の内容を理解するために読み直さなければなりません。ここが上手くつながるように工夫できれば、さらによくなります。

▲ほかの作品を読む

 

優秀賞(副賞:表彰盾+図書カード5,000円分)

ビーチに残されたゴミをなくすために【設定した立場】ビーチ管理者

京都光華高校 2年生 N.Iさん


細田先生からのコメント

 現在、海のゴミというのは非常に問題になっている分野です。そこに着眼した点をまず評価したいです。また、問題意識が明確であり、立場もはっきりと打ち出し上手く生かせています。さらに、「ゴミを拾うといいことがある」という協力してもらうための動機づけも現実的で、十分に実現可能です。
 全体的にバランスよくまとめられたレベルの高い作品なのですが、ただ一つ残念だったのは、最後の一文です。ここまで具体的に述べてきたのに、途端に「放置ゴミが消える日が来ることを願う」と曖昧となってしまいました。最後の一文を、パンチのある具体的な内容で締めることができれば、最優秀をねらえるレベルになるでしょう。

▲ほかの作品を読む

 

優秀賞(副賞:表彰盾+図書カード5,000円分)

電子マネー改革【設定した立場】金融庁長官

神奈川大学附属高校 1年生 H.Mさん


細田先生からのコメント

 中国では実際に電子マネー化が進んでいますが、キャッシュ社会である日本においても資源を守るために、電子マネーを積極的に導入すべきとする論ですね。この小論文の最もよい点は、第4段落において、自分の提案のデメリットを述べたうえで、その打開策まで考えられていることです。こうした自分の主張に対する反論への切り返しを用意することで、ぐっと説得力を増すことができています。
 ハイレベルな指摘になりますが、さらに説得力を高めるには、この提案が実現し「紙幣30億枚、硬貨9億枚の発行」がなくなった場合の効果を明記するとよいでしょう。ポイントは、「紙の製造に使われている木材の○%」「銅、アルミニウム、亜鉛などの金属がそれぞれどのくらい」などのように、具体的に何がどのくらいよくなるのかを示すことです。意識してみてください。

▲ほかの作品を読む

 

優秀賞(副賞:表彰盾+図書カード5,000円分)

食品を循環させるには【設定した立場】スーパーマーケットの店長

天王寺高校 2年生 M.Tさん


細田先生からのコメント

 書き出しからの文章が非常にスムーズですね。「料理が楽しい」から始まって、「ゴミが多く出る」というところまで、テンポよくつながっていて引き込まれます。
 「スーパーマーケットの店長」という提案の立場をはっきりと打ち出したうえで、その立場を上手く利用して、割引制度など具体的な提案もできています。さらに、「食品廃棄物の量は822万トン」「再利用されたのはたった55万トン」といった具体的な数値データを示している点も、説得力を高めることに寄与しています。
 ただ、この作品も最後の一文が非常に月並みになってしまったのが惜しい点でした。「私自身も努力したい」というのは、いかにも最後の締めの言葉にありがちな言葉ですが、ここでぐっと読み手を引きつける独自の内容を書ければ、ハイレベルな小論文となるでしょう。

▲ほかの作品を読む

 

優秀賞(副賞:表彰盾+図書カード5,000円分)

タバコ生産量を減少させるための提案【設定した立場】国連職員

関西創価高校 1年生 S.Nさん


細田先生からのコメント

 まず、書き出しがいいですね。「そんなときに知った驚きの情報」という体言止めが効いています。800字という短い文章では、書き出しの文章と終わりの文章がとても重要です。書き出しだけでなく、序盤、中盤から終わりまで、文章が非常にスムーズにつながっていて、気持ちよく読み進められる文章にまとまっています。
 また、この作品も「伐採される木の6本に1本」「森林伐採総面積の12%」「2000億円もかかっているタバコによる火災」など数値データを示している点がとてもいいですね。説得力を高めるとともに、読み手にインパクトを与えていて、効果的です。しかし、日本では薪ではなく化石燃料を使ってタバコの葉を乾燥させているので、その点には留意が必要でしょう。
 一つ首をかしげたのは、「国連職員」という立場です。これは税金にかかわる提案ですから、国連ではなく日本国内からの提案とすべきでした。惜しい! 

▲ほかの作品を読む

 

優秀賞(副賞:表彰盾+図書カード5,000円分)

地球にもお財布にも優しい【設定した立場】電気会社の社長

生田高校 2年生 Y.Mさん


細田先生からのコメント

 冒頭から、短い文章でたたみかけていく魅力的な書き出しです。途中「誰しも思ったことがあるでしょう」と敬体が混じってしまったのは残念でしたが、ここは目をつぶってもいいでしょう。
 そして、何といっても「電気の使用量の増減で料金を設定する」という発想がおもしろいですね。人々の努力や根性によって無駄遣いをなくそうとするのではなく、人々を自然に動かす動機づけのアイデアを出すことができており、納得できる内容です。
 ただし、実生活では、天候や季節によっても電気の使用量は変わります。そこをどう考えるかにも言及していれば、さらに説得力の高い論となるでしょう。

▲ほかの作品を読む

 

優秀賞(副賞:表彰盾+図書カード5,000円分)

水のある地球を守る【設定した立場】蛇口メーカー社員

横浜雙葉高校 2年生 A.Sさん


細田先生からのコメント

 水道の近くにモニターを設置することで、水の使用量の「可視化」を行おうという提案です。この「可視化」というのは人々の行動を変えるために、現在盛んに取り入れられている考え方であり、現実的な手法です。ここに着目したのは鋭いと言えるでしょう。「この提案自体は非常に小さなもの」と認めている点も好感が持てます。
 ただ、この提案にたどり着くまでの第1段落の書き出し部分が、かなり長くなってしまったのはもったいないですね。表現を工夫して半分程度にまとめて、提案の説明に字数を割きたいところです。また、最後の「水のある美しい地球を守っていく」という部分も、常套句に頼ってしまった分、印象が弱まってしまいました。書き出しと最後の一文は、小論文の印象を決める非常に重要な部分です。ありがちな言葉でまとめず、ぎりぎりまで独自の表現を追求しましょう。

▲ほかの作品を読む

 

ページトップへ