高校生環境小論文コンクール

2020年度の課題と受賞作品

受賞作品
 

優秀賞(副賞:表彰状+図書カード5,000円分)

「赤ペン」で創る「緑の回廊」【設定した立場】進研ゼミ編集長

野沢北高校 3年 T.Mさん

細田先生からのコメント

 進研ゼミの添削課題提出でもらえるポイントを賞品と交換できる「努力賞制度」を環境対策に活用しようというアイデアです。一種のクラウドファンディングですが、とてもおもしろい発想ですね。このようにみんなが少しずつお金を出し合うという活動は、大きな流れになれば社会を動かす力となることは十分考えられます。パーム油についても十分調べられていて、問題をきちんと説明できている点も評価できます。
 ただ、ちょっと惜しかったのは、最後が月並みな表現で終わってしまったことです。書き出しの一文は身近でよかっただけに残念でした。最後にもう一歩工夫した表現ができると、他人事ではない印象的な論になります。

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優秀賞(副賞:表彰状+図書カード5,000円分)

SNSを活用した環境活動の宣伝【設定した立場】若者に有名なインフルエンサー

立命館守山高校 3年 F.Nさん

細田先生からのコメント

 インフルエンサーになってマイストロー活用を促すというのは、私にはとても考えつかない若者らしい発想で非常におもしろいですね。こういった人々が行動を変えるようちょっと背中を押すような手法は「ナッジ」と呼ばれるもので、効果が十分期待できます。
 ただ一方で惜しかったのは、マイストローでどれだけ環境負荷が減るのかについて言及できなかった点です。例えば、現在のプラスチックストローの消費量を数字で示し、それが減ることを示せれば非常に説得力が高まるでしょう。
 文章については、非常にスムーズで終止形も工夫しておりセンスのよさを感じます。しかし、最後の一文では「きっかけ」が重複してしまい、インパクトが弱い内容となってしまいました。ぜひ最後まで気を抜かず、インパクトのある一文で締めましょう。

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優秀賞(副賞:表彰状+図書カード5,000円分)

絵本で伝える食品ロス問題【設定した立場】絵本作家

仁愛女子高校 1年 Y.Mさん

細田先生からのコメント

 絵本を使って幼児に環境教育を行おうというアイデアはいいですね。環境教育というと小学校以降が中心ですから、とても新鮮に感じました。「三つ子の魂百まで」のことわざもあるように幼児期の印象は強く残りますし、絵本で楽しみながら学べば無理なく続けられるので効果も期待できます。
 惜しかった点は、この絵本による環境教育をどう普及させるかについて、言及できていないことです。多くの人に活用してもらうための方法まで触れられていれば非常に説得力ある提案となったでしょう。
 また、全体に文章は読みやすくまとめられているのですが、最後の一文が月並みなものになってしまっていました。最後を読み手の心をぐっとつかむような一文で締められるよう、もう一息考えましょう。

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優秀賞(副賞:表彰状+図書カード5,000円分)

海中で分解可能な生分解樹脂の産業化によるマイクロプラスチック問題の解決【設定した立場】商社社長

成蹊高校 2年 K.Kさん

細田先生からのコメント

 高硬度の生分解性樹脂の生成のために、天草繊維や貝殻を使用して使用後の環境への影響も配慮するなど、技術的な視点からしっかりと検討されていることが伝わってきます。新しい技術展開の案として、説得力ある内容にまとめることができています。
 ただ「商社社長」の立場を選んだ理由が最終段落で急に出てくる印象なので、前半でも「環境にもよいし利益にもつながる」ということを述べておくべきでしょう。また、現在なぜこの技術が普及していないかという点も一言触れてほしかったところです。
 文章は非常にわかりやすくまとめられていたのですが、1点残念だったのは、第4段落の二文目が長い文章となってしまい、主部と述部が呼応していない点です。一文は70字程度に抑えるよう気を付けましょう。

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優秀賞(副賞:表彰状+図書カード5,000円分)

外来種から作る除草剤【設定した立場】除草剤製造会社

筑波大学附属坂戸高校 3年 M.Wさん

細田先生からのコメント

 駆除の対象となっている外来種の成分を活用して在来種の除草を行う、いわば「毒を以て毒を制す」というアイデアで非常にユニークです。しかも、植物由来なので環境への悪影響を与えないということも考慮できており、外来種の駆除、土壌汚染と多面的に環境について考えられている点も評価できます。
 ただ、オリジナルな提案であるだけに「本当に可能なのか」という疑問も浮かびます。文献などから実証結果をデータとして示すなど論拠を裏付ける証拠を示してほしかったところです。また、現時点で実現していないのはなぜなのか、その障害をどのように取り除けるのかといった観点から補強できると、さらに説得力ある提案となります。
 文章については、多様な終止形を使ってとても調子よくまとめられています。ただ、最後の一文が一般的な話になってしまったのが残念です。ここは、最後から二文目と入れ替えるだけで、インパクトのある締めとなります。

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優秀賞(副賞:表彰状+図書カード5,000円分)

健康とともに抑える地球温暖化【設定した立場】厚生労働省

北須磨高校 1年 N.Kさん

細田先生からのコメント

 スマートフォンのアプリをキャンペーンに活用しようというのは、若者らしいおもしろいアイデアですね。「徒歩」というのは人間の基本的作業ですから、とても生活実感が湧く国民目線の提案ですし、健康維持に繋がるという複合効果も納得感があります。簡潔な文で全体が構成されており、非常にわかりやすい文章である点も評価できます。
 ただ、最近は若者の自動車離れが指摘されていたり、エコカーの普及が進んだりしていることを考えると、それに触れずに自動車の多用を問題とすることには、やや違和感があります。また、「自動車の代わり」として提案するのであれば「自転車」であれば納得できますが、「徒歩」だと少々厳しい気もします。そういった点についても論を補強できればより説得力ある提案となるでしょう。

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優秀賞(副賞:表彰状+図書カード5,000円分)

自転車のすすめ【設定した立場】大手ショッピングモール支配人

成城学園高校 2年 W.Sさん

細田先生からのコメント

 自転車の利用を促すために、ポイント付与制度を提案する論ですが、高校生なりに人々の行動を変える経済動機をしっかりと考えられており、評価できます。また、「排気ガス削減量ゲージ」という発想は、まさに人々の取り組みを可視化するものであり、これも人間の行動の変化を強く後押しするアイデアで、とてもおもしろいと思いました。
 ただ残念なのが、「大手ショッピングモール支配人」の立場で書かれているのに、ショッピングモール側のメリットは何かについて述べられていないことです。例えば、「国」の立場であればビジネスメリットはなくてもよいかもしれませんが、ここは立場と内容の整合性を考えてほしかったところです。
 文章については、全体にわかりやすく表現できていますが、最終段落で「この」「これもまた」などの指示語が多くなってしまいました。文章の推敲段階でできるだけ絞りましょう。

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