大学入試のプロが語る2021年度入試はこうなる

子どもが受験する2021年度入試は、入試の内容、形式、スケジュールなど、大きな変化を迎える節目の入試です。 今回は、大学入試のプロである担当者が2021年度入試について解説します。

ベネッセコーポレーション
学校カンパニー教育支援企画部 教育情報センター
センター長 谷本 祐一郎

大学の情報収集や高校の取材で全国を行き来する、大学入試のプロフェッショナル。高校での講演経験も多数。

新入試の背景にある社会の大きな変化

ご存じの方も多いかと思いますが、2021年度から入試が様変わりします。その背景をおさらいしましょう。

近年、社会はとても速いスピードで、大きく変わりつつあります。例えば少子高齢化。子どもの数が減っていることは、「大学全入時代」などと呼ばれるように、入試にも影響しています。グローバル化の進展により国内で外国人が多く見られるようになったことや、AIを搭載した製品が多く生産されるようになったことも、近年の社会の特徴的な変化と言えそうです。

変わる教育に対応して、「学力の3要素」を重視

このように、日々過ごす環境が変わる変化の激しい社会では、決められたことを指示どおりにやる人よりも、答えのない課題に立ち向かっていける人が求められます。そうした人を育てるために、教育のあり方が変わりつつあります。これからの教育は、知識を覚えることはもちろん、覚えた知識を活用する思考力や、進んで新しいことを学ぶ主体性といった「学力の3要素」をバランスよく身につけることが重視されるようになります。学校での実際の学び方も、教室の外に出てフィールドワーク(実地調査)を行ったり、研究活動を行ったり、保護者世代とは様変わりし始めました。

ところで、大学は高校までに身につけた力をさらに伸ばす場所です。そのため、高校の教育が変われば、大学も連動して教育内容を変えていく必要があります。そうなると、高校と大学の間にある大学入試もまた、変わらなければなりません。こうして大学入試は「学力の3要素」を測るものとして、中身や形を変えつつあるのです。

その変化の節目となるのが、今の高3生が受験する「2021年度入試」になるのです。

保護者が注意すべきはスケジュールの変化にあり

では、入試がどう変わるのか、またそれに合わせて保護者はどう備えるべきか、具体的に見ていきましょう。

主な変更点を、「新入試の主な変更点」として上の表にまとめました。まず基本的なことですが、①入試制度の名称がこれまでと大きく変わりますので、混乱しないようにしましょう。次は②入試スケジュールについて。総合型選抜、学校推薦型選抜ともに、合格発表の時期が後ろ倒しになります。結果を待つもどかしい日々が続くことになるでしょう。また、近年はAO・推薦入試による合格者が増えていて、総合型選抜、学校推薦型選抜にチャレンジする受験生が多いようです。積極的にねらっていくべきですが、万が一、不合格だった場合、合格発表の時期が遅いこともあり、すぐに一般選抜へと気持ちを切り替えなければなりません。総合型選抜、学校推薦型選抜を受けるにしても、並行して一般選抜の準備をしておくことが重要だと言えます。

一般選抜でも不合格だった場合の備えも考えておきましょう。まず、2月以降でも出願できる私立大学はありますし、2次募集を行う国公立大学もあります。現役合格をあきらめる必要はありませんが、現役合格にこだわるかどうかは、ご家庭でよく話し合っておく必要があります。ネガティブに聞こえるかもしれませんが、「だめだったとき」を想定して準備しておくことも受験においては非常に大切です。

変化に惑わされず粛々と準備を

③大学入学共通テストは、大学入試センター試験に代わる新しい試験です。全問選択式であることは同じですが、学校生活を題材にした問題が出題されるなど、出題内容にはやや変化が見られます。④主体性評価については、出願時に提出する書類が増える可能性があるので注意しましょう。

変化は多岐にわたりますが、授業の延長線上に入試があることは変わりません。ですから、受験勉強で最も大切なのはこれまでと同様、毎日の授業をきちんと受け、理解することです。子どもをサポートするのであれば、出願をはじめとした受験に関わるスケジュール管理を手伝ってあげましょう。また、総合型選抜、学校推薦型選抜を子どもが知らないようであれば、情報収集を促してみるのもいいと思います。

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