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やらない後悔をするくらいなら、とにかくやってみる

スペシャル

研究の世界では、思い描いた通りの結果が出ないことも少なくない。働く大人たちに成功のヒケツを聞く第3回目は、そんな研究のなかでも、未知の分野の多い〝深海〟に挑戦しているJAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の長野由梨子さん。日々の研究や、結果を出すために心がけていることなどを聞いた。

プロフィール

国立研究開発法人海洋研究開発機構 研究員 長野由梨子さん

大学卒業後、イギリス北アイルランドの大学院で肺に感染する病原菌の研究に携わり、2008年よりJAMSTECへ。深海真菌の数少ない研究者の一人として、これまでに新種を含む深海真菌を数多く発見しているほか、北里大学と共同で深海真菌を用いた有用成分の研究も行っている。

国立研究開発法人海洋研究開発機構

動かなければ結果は出ない

きのこやカビなどが属する、真菌という生物群の研究をしています。といっても、私が所属するJAMSTECは海洋に関する研究機関なので、研究フィールドは陸地ではなく海洋。それも、深さが200mを超える“深海”をターゲットにしているため、まずはどのような真菌がどのような環境にいるのかを調査しながら、見つかった真菌から、医学や工業などに役立つ化合物が産生されないかも探っています。

具体的には、「しんかい6500」などの調査船を使って、深海から堆積物や生物などを採取して、培養して菌を探す一方、環境中に含まれる真菌由来DNAを調べたり、見つかった菌が産生する化合物を調べたりします。深海真菌はいまだに未知の多い分野なので、先行研究や資料もあまりなく、何が出てくるのか、何がどうなるのか、予測がつきにくいことだらけ。もちろん「こうしたらこうなるのではないか?」と仮説を立てられるケースもゼロではないのですが、思いつきでやってみたり、他分野の研究者の話にヒントを得たことから、思わぬ結果が出ることもあるんです。一方で期待していたほど結果が出ないことだってありますが、だからといって失敗というわけではなく、すべては結果。やってみないことには何も起こらないし、やってみてこそ「これは違ったんだな」とわかったり、「次はこうしてみよう」といった次の一手につながるわけなのです。

母の一言に背中を押されて、挑戦したことが今につながった

そんな毎日のなかで私が実践しているのは、迷ったらやってみるということ。なぜそう思うようになったかというと、実は大学卒業後に留学に挑戦したことが大きいのです。

というのも、当時の私は大学で医療に関わる研究をしていたものの、「ほかの学生とは違う力をつけたい」という思いから、北アイルランドの大学院への留学を思い立ったのですが……。「英語も話せないのに一人で行って大丈夫なのか」という迷いもあったんですよね。そんな時に母に言われたのが、「『やろうかな』という時点でやりたい気持ちはあるはずなので、やるほうを選びなさい。やってダメなら帰ってくればいいじゃない」という言葉。その言葉に背中を押されて留学に挑戦した結果、語学が身についたのはもちろん、そこで学生といえども一人の独立した研究者として肺に感染する菌の研究に携わったことで、JAMSTECが海洋微生物の研究員を募集していると知り、留学先での経験を生かして挑戦することができたからなんです。

気になることにはどんどん挑戦を

つまり、進路選択も研究も「やってもムダじゃないか」なんて思わずに、やってみなければ始まらないということ。みなさんも「これは向いていないかも」とか「どうせダメだろう」なんて思うことがあるかもしれませんが、行動すれば必ず結果が出るし、それがたとえ落ち込むような結果だったとしても、いつか笑い話にできることが多いはず。逆に「やっておけば今ごろこうなっていたかも…」という後悔ほど残念なものはないと思うので、気になることにはどんどん挑戦してみるといいと思います。がんばってくださいね!

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