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2020新大学入試情報サイト

2019/01/11

改めて、今回の大学入試改革の目的を押さえる!

2019/01/11

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年が明け、2019年度入試がいよいよ本格化していきます。お子様が受験生の保護者の皆様におかれましては、日に日に心配が増していくかもしれませんが、お子様のこれまでの頑張りを信じ、引き続き、温かい目でお子様を見守り、ご支援いただけたらと思います。

1月19日(土)・20日(日)にはセンター試験が実施されますが、本コーナーでもお伝えしている通り、センター試験の後継試験「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)を始めとして、2021年度入試より本格実施される大学入試改革の内容がだいぶ具体化されてきました。改革の対象となるのは現・高校1年生からですが、共通テストは既卒生への特別な対応はしないとされていますので、現役で進学しなかった場合は現・高校2年生などにも関係してきます。

目の前に迫ってきた大学入試改革ですが、同改革に対する保護者の理解はまだ進んでいないようです。図1は、ベネッセ教育総合研究所が保護者に対して共通テストの認知と内容の理解度を聞いた調査の結果になります。中学生の保護者は実に7割近くが、小学生の保護者でも6割弱が、センター試験が共通テストに変わることを知っています。しかしながら、その具体的な変更内容まで知っているかというと、中学生・小学生の保護者ともに「知っている」と答えた割合は2割にも及びません。

図1 「大学入学共通テスト」の認知度と理解度

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【出典】ベネッセ教育総合研究所・朝日新聞社共同調査
「学校教育に対する保護者の意識調査 2018」

センター試験から共通テストへの変更点は、「記述式問題の導入」と「英語4技能評価への転換」の2点

共通テストの内容上の大きなポイントは2つ(図2)。1つは「記述式問題の導入」で、2020年度実施分から2023年度実施分までは、国語(古文・漢文を除く)と数学(数学Ⅰ)で記述式問題が出題されます。2024年度実施分からは、地理歴史・公民分野や理科分野などでも記述式問題を導入する方向で検討されています。

もう1つのポイントは、「英語4技能評価への転換」です。現在のセンター試験の英語試験は、「読む」「聞く」の2技能を評価する試験です。グローバル化が急速に進展する中、英語によるコミュニケーション能力の向上が日本の課題となっており、既に現行の高校学習指導要領においては、「話す」「書く」も含めた4技能をバランスよく育成することが求められている点からも、大学入試において英語4技能を適切に評価する必要性が高まっています。そこで、2020年度から実施される共通テストの枠組みにおいて、民間の英語の資格・検定試験の活用による英語4技能評価が始まります。

図2 「大学入学共通テスト」の内容上の2大ポイント

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※文部科学省「高大接続改革の実施方針等の策定について」(2017年7月)を基に編集部で作成

何を目的として、大学入試改革は行われるのか?

今回の大学入試改革は、センター試験を共通テストに変えることだけにとどまりません。各大学が実施する試験(国公立大学では、いわゆる2次試験)においては、ペーパーテストだけではなく、高校3年間でどのようなことに取り組み、その経験からどのような資質・能力を身につけたのかを受験生自身が記入して提出する活動報告書等の書類の提出や、面接、プレゼンテーションの実施など、多様な方法で多面的に評価する試験へと変わっていく方向です。そのような一連の大学入試改革は、実はすべて1つの目的の下で行われています。それはすなわち、これからの時代を生きるために必要な「学力の3要素」をバランスよく育成するという目的です。

「学力の3要素」は、本コーナーでも何度か登場していますが、以下の通りです。

図3 学力の3要素

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例えば、共通テストにおける記述式問題は、「学力の3要素」のうちの「思考力・判断力・表現力」をより適切に評価できるテストにすることを目的に導入されます。マーク式問題では見ることが難しい受験生の思考や判断の内容を、記述式問題では書かせることでより詳細に見ることができます。また、マーク式問題は正解だと思う数字を答えさせる(塗りつぶさせる)形式のため評価が難しい表現力も、記述式問題であれば評価することができます。

大学入試は単独ではなく、大学教育および高校教育と一体的に改革される

大学入試改革ばかりが注目されがちですが、実は大学入試だけが変わるのではなく、同時に大学教育と高校教育も変わろうとしています。例えば、大学入試で「思考力・判断力・表現力」がより問われるようになるのにもかかわらず、高校で知識詰め込み型の教育が行われるのであれば、学校での学びと受験勉強は切り離されたものになってしまいます。逆に高校が「思考力・判断力・表現力」の育成を重視する教育に変わっても、大学入試が知識偏重のままであれば、やはり同様の結果となってしまうでしょう。そのため、「学力の3要素」の育成という共通の目的の下、高校教育、大学入試、そして大学教育を一体的に改革しようとしているのです。その三者の一体的な改革は「高大接続改革」と呼ばれています(図4)。

図4 高大接続改革

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入試というと、どうしても「どのような問題が出るのか」「どんな解答形式になるのか」といった内容・形式面に注目しがちです。大事なのは、「どのような力を見ようとしている問題なのか」という目的・ねらいをまずは理解することであり、今回の入試改革で言えば、「学力の3要素」を評価するための入試であるという点です。その点を理解すると、入試の見方も変わってくるはずです。ぜひ、今後は、「『学力の3要素』をバランスよく評価するための大学入試改革」ということを念頭に置きながら、本コーナーを始めとする入試改革に関する情報をご覧いただければと思います。

ベネッセコーポレーションのマナビジョンは、引き続き文部科学者や大学入試センターなどからの発信を分かりやすく読み解いた情報をお届けしていきますので、定期的にチェックいただけますと幸いです。本年も、マナビジョンにご期待ください。

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