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大学入学共通テスト導入に向けた試行調査
(プレテスト)の問題や正答率を公表

2018.01.18

2017年12月4日、大学入試センターは、11月に行われた「大学入学共通テスト導入に向けた試行調査(プレテスト)」の結果速報として、実施結果の概要と各教科・科目の問題、および正答率などを公表しました。

2020年度からセンター試験に代わって実施される「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)の問題構成や内容等を決定していくにあたり、「思考力・判断力・表現力」等をより重視した、新たなねらいの問題を出題した場合の正答率や解答の傾向等をあらかじめ分析しておく必要があり、そうした分析を行うためには、地域バランス等にも配慮した、分析に必要な規模のデータを集めることが求められます。そこで実施されたのが今回の試行調査であり、1,889校の高校等の生徒延べ178,129人が調査に協力(問題への解答、解答後の自己採点)しました。

今回は共通テスト本番を想定した調査であるため、これまでのモデル問題例のような一部の問題の例示ではなく、どの教科・科目も問題がフルセットで用意されました(ただし、英語など、今回は調査が実施されなかった教科・科目もありました)。それにより、共通テストの全体像が具体化されただけでなく、これまで例示されていなかった共通テストの理科、地理歴史・公民の問題イメージが今回初めて明らかになりました。

試行調査(平成29年11月実施分)の結果速報等について(別ウィンドウで開きます)

試行調査の問題から読み取れる「メッセージ」は

共通テストの実際の問題構成や内容は、今回の試行調査の結果を踏まえて引き続き検討されることになります。そのため、2020年度からスタートする実際の共通テストが、必ずしも今回の問題構成や内容と同じようになるとは限りません。しかし、今回の試行調査で、現行のセンター試験から「こう変えたい」、共通テストでは「こういう力を測りたい」というメッセージが出されたことは確かでしょう。そこで、ベネッセコーポレーションの進研総合学力テスト編集部による分析結果を基にした、試行調査の問題の具体的な特徴を見ていきます。

特徴その1 「社会とのかかわり」や「探究活動」を意識した出題が増加

今回の試行調査の問題には、すべての教科で社会とのかかわりを意識した素材が取り入れられていました。授業における話し合いの場面やグループワークの場面が扱われるなど、今後、高校教育で重視されていく「探究活動」を意識した出題もめだちました。生徒同士による会話文など、各種の場面設定において論理展開を把握する必要があり、全体的に問題文の分量が現行のセンター試験に比べて増加していたため、受検者にはこれまで以上の読解力が要求されました。

特徴その2 「複数の資料」を読み取り、情報を統合・考察する力の重視

複数の資料が扱われる問題が全体的に増加していました。多くの資料を比較した上で情報を統合したり、多面的・多角的に考察したりするなど、思考力重視の出題意図がうかがえました。加えて、資料を基に考察を深めていくタイプの問題だけではなく、ある「主張」に対して「前提となる事実」や「主張の根拠として適切な資料」を選択させるなど、問い方にも工夫が見られました。

特徴その3 記述式+新形式のマーク式問題で解答形式が多様化

国語、数学(数学Ⅰ・数学A)の記述式問題では、根拠を示しながら論理的に記述する力などが問われました。一方、マーク式の問題においても、「正解が複数ある問題」や「前問の解答と連動する問題」(世界史B・第5問・問4、5)、「該当する選択肢をすべて選択させたり、解なしの選択肢を解答させたりする問題」(物理・第2問・問3)など、従来のセンター試験では見られなかった解答形式の問題が多くありました。

平成29年度試行調査_問題、正解表、解答用紙等(別ウィンドウで開きます)

学校と家庭が連携して
「思考力・判断力・表現力」を育成する

今回の試行調査の問題からも、共通テストの目的である「思考力・判断力・表現力」の評価、そして「何を知っているか」から「何ができるか」への転換を実現させようというメッセージが明確に伝わってきます。高校では既に、2020年度に共通テストを最初に受験する、2018年度入学の高校1年生への指導や評価をどう変えていくかを検討し始めています。学校を信頼しつつ、ご家庭でも、ニュース等で目にした社会問題を話題にして、親子でその解決策について話し合ってみるなど、学校と家庭が連携してお子様の「思考力・判断力・表現力」を育んでいくことが、今後ますます求められることでしょう。

2020年 大学入試改革特集