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国立大学入試における民間の英語の資格・
検定試験の活用について
〜国立大学協会公表の新入試に関するガイドラインを読み解く〜

2018.05.16

前回は、2020年度より「大学入試センター試験」(以下、センター試験)に代わって実施予定の「大学入学共通テスト」の枠組みにおいて活用される民間の英語の資格・検定試験が決定したことについて解説しました。今回は、保護者の皆さんの関心事である「各大学はどの資格・検定試験を活用するのか」「どのような方法で資格・検定試験の結果を活用するのか」といった点を取り上げます。

2018年3月30日に、すべての国立大学が加入している国立大学協会(以下、国大協)が「大学入学共通テスト」の枠組みにおける民間の英語の資格・検定試験の活用について、国立大学としての方針「大学入学共通テストの枠組みにおける英語認定試験及び記述式問題の活用に関するガイドライン」(以下、ガイドライン)を公表しました。国大協がいち早く全国の国立大学に示したガイドラインのポイントは、次の3点です。

ポイント1
2023年度実施の入試までは、
国立大学の受験生には少なくとも
2つの英語試験が課される

まず、ガイドラインでは、「大学入学共通テスト」の枠組みにおける民間の英語の資格・検定試験の活用に関して、次のような内容の国立大学共通の方針が示されています。

    国立大学としては、「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)の枠組みにおいて、次の2つの試験の両方を国立大学の受験生には課し、入試に活用する。

  1. 共通テストの枠組みにおいて活用される民間の英語の資格・検定試験(以下、認定試験)
  2. 共通テストにおいて実施される英語試験(現在のセンター試験の英語試験の位置づけ)

国大協が、現在のセンター試験の英語試験の位置づけにあたる、共通テストの英語試験を国立大学の受験生に課すのは、英語4技能の総合的な能力を適切に評価するために、民間の英語の資格・検定試験の活用の有効性をしっかりと検証しつつ、その実施・定着を図っていきたい考えを持っているからです。
そして、2024年度以降に実施する入試では、共通テストの英語試験を廃止し、民間の英語の資格・検定試験の活用に1本化する案も含め、大学入試における英語4技能評価のあり方について引き続き検討されることとなっています。

ポイント2
国立大学の入試では、
認定試験のすべてが活用の対象に

前回の本コーナーでお伝えした通り、共通テストの枠組みにおいて活用される民間の英語の資格・検定試験として、23の資格・検定試験の活用が決まりましたが、ガイドラインにおいて、国立大学は受験生の受験機会の公平性を保証するために、すべての認定試験を入試での活用の対象とするとしています。
それにより、例えば、住んでいる場所などによって受検できる認定試験がないといった状況や、「A大学では認定試験の1つであるベネッセのGTEC(※1)のみを活用するが、B大学では別の認定試験の1つのみを活用する形になっているため、A大学とB大学の併願ができない」といった状況をつくらないようにすることができます。

※1 GTECについての詳しい情報はこちら

ポイント3
国立大学の入試における
認定試験の結果の活用方法は3つ

国立大学の入試において、認定試験の結果はどのように活用されることになるのでしょうか。国大協はガイドラインの中で次のような方針を示しています。

    共通テストの枠組みにおける認定試験結果の活用については、各大学・学部等の方針に基づき、次の方法のいずれかを基本とする。

  1. 認定試験の結果を出願資格として活用する。
  2. 共通テストの英語試験の得点に加点する形で活用する。
  3. 1と2の両方を組み合わせて活用する。

それぞれの活用方法について見ていきます。1つめの「認定試験の結果を出願資格とする」とは、例えば、「ベネッセのGTECのスコアが○○○以上であればA大学に出願できる」(※2)といった活用の仕方です。2つめの「共通テストの英語試験の得点に加点する」とは、前述の通り、国立大学の受験を希望する者は共通テストの1教科として実施される英語試験も受験することになりますが、その得点に認定試験の得点を加算するという方法での活用です。国立大学はどちらかの方法、もしくは両方を組み合わせて活用することになりますが、その選択は、各国立大学・学部等の方針に基づいて決められることになります。

※2 実際は、異なる資格・検定試験の結果を同じ物差しで評価できるように、各資格・検定試験の結果(級やスコア)は英語力の国際基準であるCEFR(外国語の学習・教授・評価のためのヨーロッパ言語共通参照枠)の段階別成績表示(A1~C2の6レベル)で示され、そのレベルによって志望大学に出願できるかどうかが決まることになると見られています。各資格・検定試験の級やスコアとCEFRの各レベルとの対応はこちらをご参照ください。

なお、今回の国大協のガイドラインでは、共通テストの記述式問題の活用方針についても示されています。2020年度から実施される共通テストの国語と数学の試験では、記述式問題が導入されますが、国立大学としては、共通テストで5教科7科目を課す原則の下、記述式問題を含む国語及び数学を全受験生に課すとしています。

今後は、国大協からさらに具体的な入試方針が示されるだけではなく、各国立大学からも2020年度実施の入試についての方針が示される見通しです。ベネッセコーポレーションのマナビジョンでは、それらの情報を保護者のみなさんに分かりやすく発信していきます。どうぞご期待ください。

2020年 大学入試改革特集