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新しい大学制度“専門職大学”のすべて(後編)

2018.07.27

前編に続き、専門職大学について解説。後編は、専門職大学のカリキュラム、今後新設されていく分野、学びへの適性など、進路検討に役立つ具体的な情報をお伝えします。

お話してくれた方

内藤 敏也さん
文部科学省 高等教育局主任大学改革官

※所属は2018年6月14日取材時点での情報です。

カリキュラムの特長を教えてください


専門職大学のカリキュラムには4つの特長があります。一つずつ見ていきましょう。

特長:その1
教育課程連携協議会

カリキュラムを検討する会議の一つです。この会議は、看護系なら看護師、IT系ならIT企業など、学ぶ分野の職種・業界の方や地域の関係者も委員として参加しています。その業界で活躍しているプロフェッショナルなどに意見してもらうことで、より実践的なカリキュラムをつくることができると考えています。

特長:その2
4つの科目群

専門職大学のカリキュラムは、「基礎科目」「職業専門科目」「展開科目」「総合科目」という4つの科目によって構成されます。

「基礎科目」… 外国語やICTといった、さまざまな職種を通じたキャリアアップの基礎となるリテラシー科目など、従来の大学の教養科目にあたる科目です。

「職業専門科目」…学びの中心にあたる科目です。例えばIT系ならソフトウェアやシステム設計を学んだり、長期の企業内実習(インターンシップ)を通して実際のシステムの運用方法を学んだりと、その分野全般にわたり必要な能力を理論と実践の両面から身につける科目です。

「展開科目」… 農家を例にすると、経営のことや作物の加工や流通のことまで知っておいた方が広く活躍できますね。そうした専門の分野に関連する他分野の応用的な能力を身につける科目です。

「総合科目」… 従来の大学の卒業研究・卒業論文にあたる科目です。それまでの授業などで身につけた知識や技術などを生かしながら取り組む総まとめの科目となります。

4つの科目と単位数(4年制の専門職大学の場合)

  1. 基礎科目(20単位以上)
  2. 職業専門科目(60単位以上)
  3. 展開科目(20単位以上)
  4. 総合科目(4単位以上)

特長:その3
長期の企業内実習(インターンシップ)

専門職大学では、実に40単位分の授業を実習で行うこととしており、そのうち20単位分を長期の企業内実習(インターンシップ)に充てることが定められています。時間にするとおよそ600時間相当以上。企業と大学が連携して学ぶ内容を決め、企業の中で実務を学ぶ本格的なインターンシップです。ただし、そのうち5単位までは、大学の中で企業と一緒に課題に取り組む演習や実習の科目に代替することができます。

特長:その4
実務家教員

専門職大学の教員は研究者だけではありません。教員の4割以上が“実務家教員”と言い、想定される進路先の実務経験と優れた実績を持った人たちです。実務家教員の半数以上は大学の教員になったことがある、修士以上の学位を持っているなど、研究能力を持っていることが条件とされています。

どんな分野の専門職大学がつくられる予定ですか?


既に申請のあった大学を見ると医療系の分野が目立っていますが、今後は情報技術系の分野にも期待したいところです。日本全体で人材が不足しており、育成が急務です。単にプログラミングや情報セキュリティの技術を身につけるのではなく、新しいシステムの開発など、この分野の新しい道を切り開けるような人材が育つ機会が増えてほしいですね。

次に、農業系の分野にも期待しています。今農業の分野では、作物の栽培だけでなく加工や流通まで手がける「六次産業化」が盛り上がっています。農業+αの力を身につける場として、専門職大学はぴったりでしょう。

最後に、アニメやゲーム、和食など、いわゆる“クールジャパン”に関わる分野にも期待しています。日本発のモノが世界的な注目を集めている分野であり、こうした分野を産業として発展させられる人材の需要が高まっているからです。

専門職大学はどのような子どもに向いていますか?


就きたい職業が明確に決まっているお子さまにおすすめします。そうしたお子さまにとって、長期の企業内実習(インターンシップ)をはじめとする実践的なカリキュラムは魅力的に映るでしょう。また、専門高校に通うお子さまにとっては、高校で学んだことをさらに深められる場所になるはずです。

ただ、一度就職してからでも専門職大学に進むことはできます。従来の大学以上に、専門職大学の門は広く開かれており、社会人の入学者も増えていくでしょう。高校卒業後、大学に進学したり、就職したりする。そうして社会人になってから、必要に応じて専門職大学で学び直すこともできます。

大切なのは、今後の人生でどのように学び、どのように生きていきたいか、高校生の間にしっかり考えることです。より豊かな人生設計ができるよう、ぜひ今回紹介した専門職大学についてお子さまと話し合ってみましょう。

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