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大学入試センターがセンター試験後継の「大学入学共通テスト」について発信!
同テストがまた一歩具体化へ

2018.07.31

6月18日、独立行政法人大学入試センターから、2020年度より実施されるセンター試験の後継試験「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)に関する情報の発信がありました。今回は、その中でもお子さんや保護者の皆さんに直接関係する点を中心に解説していきます。

改めて共通テストの
問題作成の方向性が示される

現在、高校教育では、これからの社会でますます求められる資質・能力であり、大学教育の基礎力となる知識及び技能や思考力、判断力、表現力等の育成が図られています。そのため、共通テストでは、高校の学習指導要領において育成を目指す資質・能力に基づき、知識の理解の質を問う問題や、思考力、判断力、表現力を発揮して解くことが求められる問題が重視されることになります。

また、授業において生徒が学習する場面や、社会生活・日常生活の中から課題を発見し解決方法を構想する場面、資料やデータ等を基に考察する場面など、学習の過程を意識した問題の場面設定を重視するとされています。

既卒生用の問題は作成されない方向

共通テストは、現高校1年生が3年生となる2020年度(2021年1月)に実施されますが、現行の高校の学習指導要領に基づく学習範囲の中から問題が作成されるという点については、19年度までと変更はないことから、センター試験の受験学年である現高校2年生以上の既卒生用に別の問題を作成するといった対応はしない方向で検討されています。

つまり、現高校2年生以上が2020年度に国公立大学等の受験を希望する場合、その多くが現高校1年生と同じ共通テストを受験することになると思われます。

入試で活用される民間の
英語の資格・検定試験を受検する際には、
あらかじめ発行されるIDの記載が必要に

ベネッセコーポレーションの「GTEC」など、大学入試センターによって要件を満たすことが確認された民間の英語の資格・検定試験(以下、認定試験)は、高校3年生の4月から12月までの間に2回まで受検することができ、その結果は大学入試センターを通じて出願大学に提供されることになります。

認定試験を受検する際は、大学入試センターからあらかじめ個人ごとに発行されるIDを記載することが求められる予定です。高校3年生の4月時点ではまだ出願する大学が決まっていないことも十分考えられるため、結果的に認定試験の結果を活用しない大学に出願することになったとしても、IDは発行しておいた方がよいでしょう。なお、IDの具体的な発行手続きなどについては、今後公表されることになります。

国語と数学Ⅰにおいて記述式問題を導入

既に公表されている通り、共通テストでは、国語と数学Ⅰにおいて、それぞれ小問3問の記述式問題が導入されます。国語は、1つの大問に記述式の小問3問がまとめられる形で出題され、解答字数が20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度の問題が1問ずつとなる予定です。記述式問題の導入により、解答時間は現センター試験の80分から100分に延長されることになります。

数学の記述式問題の小問3問は、マーク式問題と混在させる形、すなわち複数の大問に散らばる形での出題となります。内容としては、数式を記述する問題、または問題解決のための方略等を端的な短い文で記述する問題が出題される予定です。記述式問題の導入により、解答時間は現センター試験の60分から70分に延長されることになります。

マーク式問題においても
新たな解答形式の導入を検討

共通テストは、国語と数学Ⅰにおける記述式問題の導入に注目が集まりがちですが、マーク式問題においても大きな変更が検討されています。それは解答形式についてで、あてはまる選択肢をすべて選択する問題や、解答が前問の解答と連動し正答の組み合わせが複数ある問題などの新たな解答形式が検討されています。これは国語や数学Ⅰ以外の教科・科目でも導入される可能性があり、11月に実施される試行調査における分析・検証を経て、来年度初頭に実施の有無が公表される予定です。

共通テストの英語の試験における
「筆記」と「リスニング」の配点は現行のセンター試験から変わる可能性も

大学入試センターが問題を作成する共通テストの英語の試験(「聞く」「読む」の2技能の試験)は、CEFR(※)のA1からB1までのレベルの問題が組み合わされて出題される予定です。

また、実際のコミュニケーションを想定した明確な場面、目的、状況の設定を重視した出題にするとしています。そして、「筆記(リーディング<読む>)」と「リスニング<聞く>」の配点について、現行のセンター試験は、それぞれ200点、50点という配点となっていますが、多くの英語の資格・検定試験で各技能の配点が均等となっている状況や、英語教育改革の方向性の中で各技能の能力をバランスよく把握することが求められていることを踏まえ、11月に実施される試行調査においては、「筆記(リーディング<読む>」「リスニング<聞く>」の配点を均等として実施する予定です。

最終的な配点は、試行調査の実施状況や関係者の意見等を踏まえながら決定されることになりますが、いずれにしても、各大学の入試において、英語4技能を総合的に評価するよう努めるという実施方針を踏まえつつ、英語4技能をどのように高めていくかという本質的な育成のあり方の検討が、学校教育と家庭教育の両方で問われることになると思います。

※ヨーロッパ言語共通参照枠(Common European Framework of Reference for Languages)の略称で、語学シラバスやカリキュラムの手引きの作成、学習指導教材の編集、外国語運用能力の評価のために、透明性が高く、包括的な基盤を提供するものとして、2001 年に欧州評議会から発表された英語力の国際基準。A(基礎段階の言語使用者)、B(自立した言語使用者)、C(熟達した言語使用者)ごとに2レベル、計6レベルが設定されています。

理科の選択問題は廃止の方向へ

現行のセンター試験の理科では各科目の中で選択問題が出題されていましたが、大学教育の基礎力として共通に求められる資質・能力を測るという共通テストの趣旨を踏まえ、共通テストの理科では、高校教育における履修順序や範囲等に配慮しつつ、選択問題を設定しない予定としています。その結果、すべての範囲を網羅する対策が必要となる可能性がありますが、それだけ理科を重要視する大学入試センターのメッセージがうかがえます。

11月に実施される試行調査の分析・検証を経て、
来年度初頭に「実施大綱」を公表

今回、大学入試センターから発信された情報は、現時点での検討状況を踏まえたものであり、各教科・科目における問題のねらいや実施方法等については、11月に実施される試行調査の分析・検証を経て、来年度初頭に「大学入学共通テスト実施大綱」が公表される予定であることから、最終的には来年度以降の情報を確認する必要があることに留意が必要です。

そのため、お子さんが通われている学校からの発信をしっかりとキャッチしていただくとともに、ベネッセコーポレーションのマナビジョンも引き続き、文部科学者や大学入試センターの発信を分かりやすく読み解いた情報をお届けしていきますので、定期的にチェックいただけますと幸いです。今後も、マナビジョンにご期待ください。

2020年 大学入試改革特集