学校パンフ請求でLINEギフトコード全員GET!

中学までの知識で解ける! 大学入試問題中学までの知識で解ける! 大学入試問題

新高1のキミへ新高1のキミへ
社会
2012年度 
北海道大 (日本史)

この問題に挑戦!

実際に大学入試で出題された問題だ。

次の文章A・Bを読んで,下記の設問(問1~8)に答えなさい。


文章Aと問1~6,8は割愛


B 9世紀前半の政治は,嵯峨天皇の側近であった(e)藤原冬嗣らを中心に,弁官や地方官などの実務経験を持つ官人たちによって進められ,土地や農民に関する政策が積極的に出されていった。西海道における公営田の設置は,その例の一つである。
 公営田は,823(弘仁14)年に,(f)嵯峨天皇の近臣で当時太宰大弐の任にあった()(のの)(みね)(もり)の意見書によって設けられた。そこには,連年の不作と疫病の流行により大宰府の財政が窮迫する事態になったこと,そこで新たに「公営田」と称する田を置いて西海道諸国における稲の貯積量を増やすべきことが述べられている。
 公営田制度の計画では,壱岐・対馬を除く西海道9カ国の口分田と乗田(口分田や位田・職田などを班給した後の剰余田)から約12,000町が公営田に充てられ,これを9カ国の調庸負担者6万余人全員が5人に1町の割当てで耕作することとされた。旧来の班田収授法に従えば,本来,これらの耕作者には口分田が1人2段ずつ班給されるところであるが,それをやめ,5人分の口分田と同面積の公営田を5人1組で耕作することにしたのである。
 このような耕作方式の変化に伴い,公営田の耕作者は従来と異なる形で収入を得ることになり,また彼らが(g)租・調・庸を納める方法も変わった。それまでは,口分田の収穫稲から租を納めた残りが耕作者の収入となり,調・庸の負担は各人に課されていた。つまり,口分田の収穫稲が耕作者の基本的な収入となる代わりに,租・調・庸の納付も各人が責任を持って行う,というのが律令制下における班田収授と租税徴収の原則だったのである。だが,公営田制度では,公営田の収穫稲がすべて大宰府の管理下に置かれることになり,そこから支払われる耕作料と食料が耕作者の収入となった。そして,(h)租・調・庸は,各耕作者が個別に納めるのではなく,耕作者全員分が公営田の収穫稲からまとめて徴収された。耕作者への耕作料・食料と租・調・庸を差し引いた残りの収穫稲は,少しでも財政が潤うよう西海道諸国の収入に繰り入れられた。


問7 下線部(g)について,正しく述べた文を次のア~エから選びなさい。
ア. 租・調・庸は,すべて中央政府に送られた。
イ. 租は中央政府に送られ,調・庸は主に諸国において貯蔵された。
ウ. 租は主に諸国において貯蔵され,調・庸は中央政府に送られた。
エ. 租・調・庸は,いずれも主に諸国において貯蔵された。

(入試問題より一部抜粋)

どうやって考える?

問題文のどこに注目すれば解けるか、1つ選んでみよう。

  • 文章Bをすべて読んでみる
  • 文章B中にある下線部に注目してみる
  • 問7の設問文を先に見てみる

回答を選んでください。

正解!よくわかったね!
実際にどう解けるか、次から見ていこう!

おしい!
実際にどう解けるか、次から見ていこう!

こうやって解く!

実際にどんなポイントで解いたらいいか見ていこう。

  • 中3レベル

POINT1

問7は、「租・調・庸」について正しく述べている文を選ぶ選択問題だ。文章Bを読まなくても、また、文章の内容が理解できなくても、「租・調・庸」についての正しい知識があれば、この問題は解ける!

POINT2

●「租・調・庸」は学んでいる知識!

租・調・庸については中学校の社会で学んでいる。以下のような説明を見たことがあるはずだ。

「租」は、おもにききんなどに備えて国や郡などの倉庫におさめられた。「調、庸」は役人への給与など、朝廷の財源として用いられた。


●「租」と「調・庸」の違いをチェック!

上の記述から、

  • 租は、国や郡、つまり「諸国」におさめるもの
  • 調・庸は、朝廷、つまり「中央政府」におさめるもの
であることがわかる。
つまり、正解はウであることがわかる!

詳細な解き方を確認しよう。

  • 班田収授法について

    人々に土地を与える制度である班田収授法においては、6年ごとに作成される戸籍にもとづき家族ごとに口分田が与えられた。

  • 租・調・庸とは

    班田収授法において、人々はその口分田の面積に応じて「租」という税を負担した。また、成人男子の場合、布や特産物を都まで運んでおさめる「調」、「庸」という税の制度もあった。 「租」は、国や郡などの倉庫におさめられ、「調」、「庸」は朝廷の財源として用いられた。

※この解答解説は、すべてベネッセで独自に作成しています。

高校生レベル

※この解答解説は、すべてベネッセで独自に作成しています。

考え方をまとめよう!

今回使った考え方をまとめよう。

大学入試で扱われる文章は、まともに読んだら難解……

文章Bは、高校の日本史をしっかりと学習しないと、とても読み解くことができない。


別の切り口から問題を解くヒントを得る!

しかし、文章の解読に力を使わなくても、設問文に含まれる言葉がヒントになってあっさりと解ける問題が、一部に含まれていることがある。今回の問題で言えば「租・調・庸」がまさにそれだ!


語句・知識を切り出せば中学校の知識でも対応可能なものがある!

「租・調・庸」のように、中学校で学ぶ歴史にも出てくる語句があり、その説明について問われている問7のような問題であれば、語句の知識を正しく持っているだけで十分に対応し、正解することができる。


高校に入ってから日本史を学ぶ際に、中学校で学んだ語句や知識をきっかけにして、文章Bのような難読文も解読できるよう、学習の幅を広げていこう。