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学習内容の世代間ギャップ学習内容の世代間ギャップ

教科書の内容は、実は改訂のたびに変わっていて、子ども世代と保護者世代とでは、学んでいる内容が異なる場合もあります。このコーナーでは、学習内容の世代間ギャップについて探っていきます。

第2回【数学】懐かしの「基礎解析」「代数・幾何」

「基礎解析」を今の高校生は知らない!?

保護者のみなさんが高校生のとき、数学がどのような科目割になっていたか、覚えているでしょうか?

1982年(昭和57年)〜1993年(平成5年)ごろに高校生だった方は、数学の科目に「基礎解析」「代数・幾何」といったものがあったのを覚えている方もいらっしゃると思います。ところが今の高校数学には、このような名称の科目は存在しません。

そこで、数学の科目割の昔と今を比較してみましょう。

1980年代〜90年代前半の科目割

「数学Ⅰ」「基礎解析」「代数・幾何」「微分・積分」「確率・統計」の5科目

※ 年度によっては、必ずしもこの限りではありません。

現在の科目割

「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」「数学A」「数学B」「数学活用」

※「数学C」は、2012年度新入学生から新しい学習指導要領に移行したため、廃止されています。

科目割の変遷

数学に限らず学校での学習内容は、何年かごとに改められる「学習指導要領」に基づき決定されます。

上で見たように、現在の高校数学は「数学Ⅰ、数学Ⅱ、数学Ⅲ、数学A、数学B、数学活用」という科目割になっていますが、実は多くの時代の学習指導要領がこの科目割に準じているのです。つまり、1980年代〜90年代前半に高校生だった人たちだけが、「数学Ⅰ」「基礎解析」「代数・幾何」「微分・積分」「確率・統計」という、ある意味特殊な科目割の中で学習していたというわけです。

しかし特殊だから悪いというわけではなく、数学には「解析学」「代数学」「幾何学」という3つの大きな分野があり、その意味では「基礎解析」や「代数・幾何」は、とてもわかりやすい分類なのです(「微分・積分」は「解析学」に位置づき、「確率・統計」は「応用数学」と呼ばれる分野に含まれます)。

わかりやすそうな科目割があるにもかかわらず、「Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・A・B」という科目割が主流である理由は定かではありません。現在の科目割で高校生が混乱をしているわけではなく、名称として認知されやすいからなのかもしれません。

学習内容に大きな違いはない

科目割の名称は大きく異なっても、数学として学習する内容は、昔と今とでは大きな違いはありません。ちなみに「基礎解析」にあった「三角関数」は現在「数学Ⅱ」にあり、「数列」は「代数・幾何」で学習した「ベクトル」などと一緒に「数学B」に含まれています。

数学が苦手・嫌いという人はとても多く、みなさんの中にも苦手意識を持っている方がいらっしゃるかもしれませんが、お子様が数学の勉強中にぜひ教科書をのぞいて、「おっ、それは解析学の基礎だな」などと声をかけることで、見守ってくれているという肯定感も上がり、数学の話題をきっかけに学習のモチベーションが上がる可能性もあるかもしれませんね。

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