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学習内容の世代間ギャップ学習内容の世代間ギャップ

教科書の内容は、実は改訂のたびに変わっていて、子ども世代と保護者世代とでは、学んでいる内容が異なる場合もあります。このコーナーでは、学習内容の世代間ギャップについて探っていきます。

第5回【国語】文学作品のトレンド

国語の教科書で扱われている文学作品の今昔

二つのグループはどのような条件で分けられているでしょうか。

Aグル―プ
『夢十夜』(夏目漱石)/『セメント樽の中の手紙』(葉山嘉樹)/『蠅』(横光利一)/『山月記』(中島敦)/『こころ』(夏目漱石)/『靴の話』(大岡昇平)
Bグル―プ
『服を着たゾウ』(星新一)/『注文の多い料理店』(宮沢賢治)/『蛍川』(宮本輝)/『太郎物語』(曾野綾子)/『富嶽百景』(太宰治)/『沈黙』(遠藤周作)

正解はAが「昔も今も教科書に掲載されている作品」、Bが「昔の教科書にのみ掲載されている作品」です。

1988年前後の現代文の教科書と、つい数年前の現代文の教科書を比較した結果です(注:教科書は数年ごとに改訂されるため、調べ方によっては必ずしもこのようにはなりません)。

どの作品も有名なものばかりですが、読んだ記憶が鮮明に残っているもの、逆に「あれ?こんな作品が載っていたんだ」という作品があるかもしれません。また、「この作品が今の教科書に載っていないなんてもったいない。高校生に読ませるべきだ!」と主張したくなるものがあるかもしれませんね。

教科書に掲載される作品は、各教科書会社で検討に検討を重ねて決められています。その過程において「やはりこれははずせない」という作品もあれば、「思いきって掲載してみよう」というものもあるかと思いますが、例えば夏目漱石の作品が王道的に中学校・高校の教科書の多くに載るように、よく見かけ、耳にする作品が教科書に掲載されていると、なんとなくホッとするような気がしませんか?

伝統作品にもトレンド作品にも向き合う

どんなものにも流行・トレンドといったものがあります。文学作品もその例にもれません。教科書に掲載される作品は、学習に使用されるだけに、どちらかというと昔から有名な作品が多いかもしれませんが、最近の教科書には、次のような近年特に有名になった作家たちの作品も採用されています。

この中で、みなさんが読んだことのある作品はありますか?
『働くことの意味』(内田樹)/『旅する本』(角田光代)/『青が消える』(村上春樹)/『ぐうぜん、うたがう、読書のススメ』(川上未映子)/『人と人が出会う手順』(小川洋子)

近年は、活字離れが叫ばれ、本・出版物がなかなか売れないという嘆きも聞こえてきます。その一方で、スマートフォンやタブレットなどの普及により、電子書籍という形で文学作品を読む人が増えてきているのも事実で、言われるほど活字離れは起きていない、という意見もあります。

学生時代に巡り合う文学作品は、その後の人生に大きな影響を与えるケースが少なくありません。みなさんが学生時代に読んだ作品にも、そのような記憶がよみがえるものがあるのではないでしょうか。お子様たちが目にしてきた、あるいはこれから目にする作品にも、将来の進路にインパクトを与えるものがあるかもしれませんね。

教科書に「昔も今も変わらず掲載されている作品」からは、時代の違いに関係なく、考え方や感じ方をお子様と共有できるでしょう。また「最近の作品」からは、現代の文学作品のトレンドを知るとともに、お子様が向き合っている作品を話題にすることで、ご家庭の中でも新たな気づきが生まれるかもしれません。

ぜひ、お子様の使っている国語の教科書を借りて、文学作品を通じて意見交換などをしてみてください。

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