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学習内容の世代間ギャップ学習内容の世代間ギャップ

教科書の内容は、実は改訂のたびに変わっていて、子ども世代と保護者世代とでは、学んでいる内容が異なる場合もあります。このコーナーでは、学習内容の世代間ギャップについて探っていきます。

第12回【現代社会】現代社会に生きる高校生を応援しましょう

「現代社会」という科目

高校で学習する科目の一つに「現代社会」があります。「現代社会」は、そのときどきの社会環境や状況に応じて何かを学ぶという色合いが濃いせいか、学習内容は比較的柔軟であるようです。というのも、先生のなかには、あまり教科書を開くことなく、新聞記事を毎回の授業の題材にしていることもあると聞きます。「現代社会」という科目は、将来社会に出たときにどのように考え、行動するべきかを学ぶ実践的な科目と言えるのかもしれません。

そんな「現代社会」の教科書には、今も昔も変わらずテーマとして挙げられているものがいくつかあります。その一つが「現代社会に生きる青年」というものです。この「現代社会に生きる青年」では、昔の教科書でどのように書かれ、現在の教科書でどうなっているのかを、見てみることにしましょう。

以前の「現代社会」に見る高校生の問題

保護者のみなさんが高校生だったころの「現代社会」の教科書には、次のような問題提起がされています。

  • 現代社会の特徴であるマスコミや広告・宣伝の氾濫が、生活のしかたや意識・行動に強い影響を与えている
  • 広告・宣伝の影響で消費や娯楽への欲求をおさえられなくなる青年がいる
  • 性的好奇心をあおる出版物や映画などに刺激され、自制心を失い非行に走る青年がいる
  • マスメディアにつくりあげられたスターに熱中してしまう青年がいる
  • 「無気力・無責任・無関心・無感動」という、いわゆる「四無主義」が現代日本の青年の中にあらわれてきている
  • 調査によると「金や名誉は重視せず、自分の趣味にあった暮らしをする」「その日その日をのんきに暮らす」という回答が急増している

では、今の「現代社会」の教科書ではどんな問題が指摘されているかと言えば、実は大きくは変わっていません。根底にある問題提起の内容はほぼ同じで、そこに現代ならではの事例が加えられているようです。

現在の「現代社会」に見る高校生の問題

例えば、昔の教科書に記載されていた「四無主義」に当たるものとして、今の「現代社会」の教科書には「ステューデント・アパシー」と呼ばれる症状に対する指摘があります。「ステューデント・アパシー」とは、無計画に生き、無関心、無感動に過ごす学生に特有な、無気力症を指します。これ以外に、「ひきこもり」「パラサイト・シングル」など、昔の教科書ではほとんど見ることのできない、かなり具体的かつ現代的な事例を取り上げているケースも見られます。

さらに、現在の教科書で非常に大きく取り上げられているのが「インターネット」と「ケータイ」です。保護者のみなさんが高校生だったころは「マスコミ」や「マスメディア」が問題の切り口でしたが、今は「ネットの世界」「携帯端末」にシフトしているのが見て取れます。インターネットの普及と発達がもたらした功罪や携帯端末への依存など、これらの現代的な問題を教科書もしっかりととらえ、掲載しているのです。

将来の「現代社会」と高校生たちのこれから

「現代社会」の教科書の今昔をご覧になってどのように感じられたでしょうか。昔も今も高校生は同じような問題を抱え、不安な気持ちでいます。つまりはみなさんもそうだった時代があり、それを経て今、社会に生きる大人となっているわけです。であるならば、その道を振り返って、高校生のお子様たちにより的確な助言ができるのではないでしょうか。

高校生のお子様の将来の社会がよりよいものとなり、そしてお子様自身もよりよい生き方をしていけるよう、保護者のみなさんご自身の高校生時代の体験、そして教科書が指摘しているような問題をお子様と一緒に見つめ、考えてみてください。そして、よりよい未来・将来へ、お子様たちを導いていってあげてください。

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