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似て非なる学問紹介 化学VS応用化学

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  • 2017.07.14

今回違いを紹介するのは、「化学」と「応用化学」。どちらも「化学」を研究する点は同じだが、研究の目的も内容も異なる、別々の学問だ。学びの特徴や学んだ後の進路について、違いを見ていこう。

新しい理論の発見をめざすか
現実社会への応用をめざすか

化学は「基礎研究」、応用化学は「応用研究」を主に行う学問だ。

基礎研究は、まだ知られていない理論や現象を見つけることが目的。化学で言えば、物質の構造や化学反応がテーマになる。ノーベル化学賞を受賞した「DNA修復のメカニズムの解明」や、理化学研究所による「ニホニウム」という新元素の発見などが、近年の基礎研究における大きな成果として挙げられる。

応用研究の目的は、基礎研究によって知られるようになった理論や現象を、特定の目的に合うよう実用化すること。応用化学で言えば、新しい素材の開発などがそれにあたる。フライパンや時計の素材になるセラミックスは、応用化学の分野で開発・改良されているものだ。

化学の世界を深く探究したいのか、それとも化学を用いた技術開発がしたいのか。自分の志向に合った方を選ぼう。

どちらの分野も
たくさんの実験をこなすのは同じ

一般に、化学は理学部化学科、応用化学は工学部応用化学科で学べる。また、理工学部のある大学では、二つの学科が同じ学部に設置されていることもある。

化学科と応用化学科に共通しているのは、基礎理論と実験技術の修得が重視されていることだ。1~3年次は有機化学、無機化学、分析化学の基礎知識と機器の使い方を教わり、研究室に配属されてから、研究テーマに沿って本格的な実験・実習を始めることが多い。研究室によっては、一日中物質の観測を行ったり、データの収集に明け暮れたりすることもあるようだ。

逆に、化学科と応用化学科で大きく異なるのが、研究テーマだ。化学科は「天然物の合成」「金属錯体の育成」など、化学物質そのものの研究がメイン。一方、応用化学科は、「酵素反応を利用した発電デバイスの開発」「金属ナノクラスターの化学触媒への応用」など、化学物質を何かに利用するための研究がめだつ。

大学院まで進まないと
研究・技術職への就職は難しい

化学科、応用化学科ともに、卒業後はメーカーの研究・技術者として働く人が多い。化学科は製薬・食品、応用化学科は製薬・電気・医療など、主な就職先となるメーカーには多少の違いがある。また、研究・技術職は大学院の修了者以外だと採用されにくいため、学部を卒業してすぐに就職する人は少なく、大学院に進学する人が多いようだ。

進学先に迷うようなら、研究室を調べてみるといいだろう。化学も応用化学も、研究室単位で取り組むテーマが異なってくる。なかには、その大学の、その研究室でないとできない研究があるからだ。

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