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超高齢社会の処方箋!?「老年学」ってどんな学問?

  • 職業・学問
  • 2017.07.14

2016年には、65歳以上の人口が日本の総人口の全体の27%を超え、世界でも類をみない超高齢社会を形成する日本。そのようななか、2002年に誕生した新しい学問が「老年学」だ。今回はこの老年学に迫ってみよう。

さまざまな領域の学問が交わる学際的な学問

老年学は、人間の加齢変化や社会に内在する問題を研究し、高齢社会のあらゆる課題を解決するための学問だ。高齢社会の課題領域は広範囲に渡る。そのため、医学、心理学、社会学を核としながら、福祉学、リハビリテーション科学、政策科学、死生学など、さまざまな領域の学問が交わる学際的な学問となっている。

老年学で研究する課題として、例えば、認知症や身体が虚弱することなどによる、高齢者の生活機能の低下などが挙げられる。老年学では、高齢者が寝たきりや認知症にならずに、身の回りのことが自分でできる生活機能を維持するための予防研究を重要視しており、医学や心理学、社会学などの領域と一体になって解決案を考えている。

世代間交流や高齢者の社会参加も研究領域

老年学では、身体機能の予防研究だけではなく、高齢者と社会とのかかわりについても積極的に取り組んでいる。独居老人が増えている超高齢社会は、人と人との付き合いが希薄になっている一方で、元気な高齢者も増えている。そんな彼らが、社会のなかで役割を持てるような仕組みを考えるのも老年学の特徴である。

例えば、高齢者は人生経験が豊富なため、子育て支援などの役割に最適な存在だ。そうなれば、介護や年金など、下の世代が上の世代を一方的に支える仕組みだけではない相互補助が成り立ち、世代間の交流も進んでいく。そのためには、高齢者がどのように社会参加すればいいのか、仕組みとして安定させるための方法を、社会制度とともに考える必要がある。老年学は、社会のあらゆる資源を活用して、問題解決を図る学問でもあるのだ。

医学・医療系、社会学系の学部講義などで学べる

老年学は、お茶の水女子大や大阪大、帝京平成大などの医学・医療系や社会学系の学部講義として学ぶことができる。さらに、日本で唯一、老年学の修士号・博士号を取得できる大学が、桜美林大だ。桜美林大学大学院の老年学研究科の芳賀博教授に、求めている学生像について聞いた。

「老年学を学ぶバックボーンについては、特に問いません。実際には、看護師や理学・作業療法士、介護福祉士、ケアマネージャーなどとして、現場で働いている人が多いです。しかし、社会全体の問題を考える学際的な学問のため、高齢社会に興味・関心がある人であれば、資格の有無にかかわらず多様な方々を受け入れたいです」と芳賀教授。

老年学は、医学・医療系や福祉系、社会学系の大学・学部に進学すると、カリキュラムの一部に組み込まれていることがあるので、興味のある人は志望大の情報を詳しく調べてみよう。また、老年学を本格的に学びたい人は、老年学の専門課程を設置している大学院への進学を検討するのもよい。大学院では、大学の学部を卒業後にそれまで学んだことを生かしたり、社会人経験を経てから専攻するのもいいだろう。

個人としても社会としても、すべての人が無関係ではいられない老年学を学ぶことで、超高齢社会の課題を解決する処方箋を得られるかもしれない。

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