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うまく行くこと、行かないことを整理して
自分で結果をコントロールしていく
Special Interview vol.06 山縣亮太さん(セイコー)

  • スペシャル
  • 2019.9.4

勉強でも、スポーツでも、将来に向けてのことでも…。目標に向かって確実に前進していくには、計画を立てて行動し、結果を振り返って次につなげていくことが大切だ。そのカギとなるのが、「自分の活動や行動を記録する」ということ。中学生の時から練習記録をつけ、陸上競技の結果につなげてきたという陸上・山縣亮太選手に、“書くこと”について話を聞いた。

プロフィール

陸上男子短距離選手・山縣亮太さん(セイコー)

小学4年生の時に広島市の陸上大会で優勝したのをきっかけに、陸上クラブから誘いを受けて陸上競技を始める。以降は陸上部で活動を続け、広島県高等学校総合体育大会では100mで3連覇を達成。慶應義塾大学進学後もロンドン五輪で10.07、リオデジャネイロ五輪で10.05という五輪における日本選手史上最速を更新しリオデジャネイロ五輪では男子4×100mリレーの銀メダル獲得に貢献するなど、陸上選手としてトップを走り続けている。技術コーチをつけず、自分自身で走りを突き詰めている“考えるアスリート”としても知られる。セイコー社員。

ノートをつけたら、自分自身が見えてきた

陸上の練習記録をつけるようになったのは、中学2年生の冬のことです。当時は陸上部の仲間たちとの「リレーで全国大会に出場する」という目標をなんとしてもかなえたくて、気合いが入っていた時期。それがなぜ“書く”につながったのかというと、小学生の時の『学問ノート』の影響が大きいかもしれません。学習した内容を日々ノートにまとめてくるという宿題があったのですが、おかげで書くことが習慣になり、「考えながら書くと情報が整理されて頭に入るものだな」と実感していたんです。

記録して振り返る、やるべきことが見えてくる

練習中にちょっとした変化を感じても、翌日には「昨日は走っている時に何を考えたんだっけ?」ということが多かった僕は、「そうだ。書こう」と。ノートではないスタイルだったのですが、練習内容や走りながら感じたことなどを帰宅後に振り返り、具体的な言葉として残すようになったわけです。

手ごたえはすぐに表れました。それまではなんとなく全力で走って、いいタイムが出たかと思えば、なぜかタイムが落ちて首をかしげる…といったことを繰り返していたのですが、それがなくなったんです。例えば30mを5本走る練習メニューにしても、「2本目でこんなことを感じた」「3本目は腕をまっすぐ振るように意識してみたら、タイムが0.3も伸びた」といったメモを残すようになっただけで、自分の走りに対するよいところと改善すべきところなどの整理がつくようになって、次の練習につなげていけるようになりました。すると、理想のイメージや、逆によくない時の原因も見えてくるようになり、中学3年生の大会では、リレーでも個人でも全国大会に進むことができたんです。

以降、練習の足跡を残すという作業は、ずっと続けていることの一つ。今はスマートフォンに記録するスタイルに変わりましたが、練習しながらタイムや動画をとっておき、練習後にはそれがよかったか悪かったかを評価して次につなげていく…。そうやって積み上げてきたからこそ、自分が今やるべきことがわかるのはもちろん、不調を感じたとしても「高校時代のあの時に似ているな」と早めに修正できるなど、自分で自分の結果をコントロールできるようになったと感じています。

結果をコントロールできると楽しい

みなさんにも「テストの点数を伸ばしたい」「将来こうなりたい」といった夢や目標があるでしょうが、自分で考えながら取り組むということは、成長のために大事なプロセスの一つだと思っています。そしてそのために欠かせないのが、“書く”ということ。記録を残して考えるうちに、次にやることがわかるのはもちろん、新しい課題が見つかったとしても自力で打破できるようになって、結果をコントロールできるようになる。すると、その取り組み自体も、楽しくなるんじゃないかと思います。

そういう僕の今の目標は、2020年の東京オリンピックで結果を出すこと。日々うまくいったことといかなかったことを一つひとつ整理していきながら、その結果を自分で最大限にコントロールしていきたいと思っています。お互いにがんばっていきましょう。

教えて!山縣亮太先輩

Q.興味があるのになかなか行動に移せない時は?

最初の一歩を踏み込むのって、勇気がいりますよね。僕の場合は、大会でいい結果を出したことをほめてもらったというのが、陸上の世界に踏み込むきっかけになったので…。同じ興味を持っている人たちと集まって、「好き」を共有し合うのもいいかもしれません。そういう環境なら、結果を出した時にきっと「すごいね」と認めてもらえるだろうし、そのことが、楽しさやさらに踏み込んでいく力になるかもしれません!