学年選択でキミに合った情報を表示しよう!

※学年設定をクリアする

Benesseマナビジョン

トピックス
ホームトピックス今の中3生からが対象 2つの新テストの方向性は?

今の中3生からが対象 2つの新テストの方向性は?

  • トピックス
  • 2017.05.19

5月16日に文部科学省から、高等学校教育改革、大学入学者選抜改革、大学教育改革の検討に関する進捗状況が発表された。現在の中学3年生が対象になる新テストがどのようなものになる予定なのか説明するよ。

2020年度入試から開始する2つの新テストとは?

高等学校教育改革では、高校生の基礎学力定着を目指すための「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」が、そして大学入学者選抜改革では、現行の大学入試センター試験に替わる「大学入学共通テスト(仮称)」(現・中学3年生が受験する2020年度入試から開始)の導入が予定されている。この2つのテストが目指している方向性はどのようなものかについて、次にまとめた。

高校生のための学びの基礎診断(仮称)

「高等学校基礎学力テスト(仮称)」は「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」という名称に変更する方向になっているが、義務教育段階の学習内容も含め、高校生として身に着けておくべき基礎学力の定着と、それによる学習意欲の喚起を図ることが目的という点は踏襲されている。昨年度から、10都道府県12校(約5,000人)の高校の協力を得ながら実証データを求める研究も進められており、ベネッセコーポレーションをはじめとした民間事業者が問題を作成したテストの試行実施も行われている。今回の進捗状況では、その結果を受けて、より具体的な枠組みが提示されている。

「高等学校基礎学力テスト(仮称)」から大きく変わった点は、文部科学省が「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」を作成するのではなく、民間事業者が実施している各種の試験・アセスメントについて、文部科学省が設定した要件、基準に適合していれば「高校生のための学びの基礎診断(仮称)」の一つとして認定するということだ。

なお、教科については、国語・数学・英語で実施し、英語についてはSpeakingを含めた4技能を測定することが検討されている。また、PBT(紙での試験実施)だけではなく、CBT(コンピューターを使っての試験実施)などもあわせて検討されているが、さらなる試行調査の実施結果や教育関係者、民間事業者の意見も聞いたうえで、平成30年度(2018年)には認定制度の運用の開始を目指している。

大学入学共通テスト(仮称)

これまでは「大学入学希望者学力評価テスト」という名称で検討されていた、このテストの目的は、現在の大学入試センター試験と同様に、大学教育を受けるために必要な能力の測定だ。目的は同じではあるものの、「大学入学共通テスト」では、2つの点で大きな改革を目指している。

1点目は国語と数学で記述式問題が導入されること。「大学入学共通テスト」では、思考力・判断力・表現力をより深く問う出題を重視していくようだ。思考力・判断力はマークシート式の出題でも測定はできるが、表現力を測定するためには記述式の出題が必須となる。このことにより、試験時間は国語が80分から100分へ、数学は60分から70分に延長されることが検討されている。

なお、記述式問題の採点については民間事業者との連携も想定されている。また、次期指導要領下(2024年度以降)では地歴公民、理科でも記述式の導入が検討されている。

2点目は英語。英語については、大学入試センターが認定した民間事業者が実施する資格・検定試験(認定試験)を活用する。現在は、A:2020年度以降、認定試験のみ実施、B:2020~2023年度まではセンター試験と民間試験(検定試験)の併用などの2案が提示されているが、いずれにせよ6月には決定する予定だ。

なお、民間試験(検定試験)は高校3年生の4~12月の間に2回受験でき、高成績の方を使うことが可能で、各認定試験の結果のほかに、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠の略称)の6段階評価が大学に提供される。

英語の試験がGTEC(2016年度の中高生受検者数が約93万人のスコア型英語検定)などの民間事業者が実施する民間試験(検定試験)活用を検討する理由は、高校での英語教育の抜本改革(「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を育成する)を踏まえ、大学入試でも4技能の適切な評価(大学入試センター試験は「読む」「聞く」の2技能を測定)が求められているからと言える。

今後、高校教育では、高校入学後早期段階での4技能での英語力測定とその結果をもとにした育成が、さらに活発になると思われる。なお、「大学入学共通テスト(仮称)」は、当初案から1年前倒しで今年度から3年間をかけてプレテストを実施、その結果等を見ながら平成31年度(2019年度)初頭に実施大綱を公表予定だ。

大学入試センター試験の受験者は約50万人。この大規模な試験の改革を目指すということからも、文部科学省の教育改革実現に向けた強い意欲が感じられる。

個別大学の入学者選抜の改革

最後に、各大学が行う入学者選抜試験の改革ポイントに触れておこう。

AO入試や推薦入試は、一部、事実上の学力不問になっているという課題が指摘されていた。そのため、調査書などの出願書類に加えて、小論文やプレゼンテーション、口頭試問など各大学で何らかの評価方法を実施するか、「大学入学共通テスト(仮称)」のいずれかを活用することが検討されている。

これは、AO入試や推薦入試(現行の実施要項では「原則として学力検査を免除」)においても、知識・技能及び思考力・判断力・表現力が求められるということ。名称もAO入試は「総合型選抜(仮)」に、推薦入試は「学校推薦型選抜(仮)」に変更することも検討されている。

また、一般入試は国語を中心に記述式問題や英語4技能評価の導入に加えて、受験生を多面的に評価するために学校が記入する調査書とともに、志願者本人が記載する資料の積極的な活用も検討されている。なお、調査書等をどのように活用するかについては、各大学の募集要項に明記される予定だ。

関連コンテンツ
SNSでみんなと共有してね!