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ホーム大学情報企業の担当者に聞くデータサイエンスへの期待 データサイエンスの進展が商品や仕事のあり方・進め方を変えていく

企業の担当者に聞くデータサイエンスへの期待 データサイエンスの進展が商品や仕事のあり方・進め方を変えていく

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  • 2017.08.15

モノとモノとがつながる IoT(*)や人工知能の発達による第4次産業革命の結果、今後なくなる職業が多くあると言われる中、ますます重要性が高まっているのが、「データサイエンス」のスペシャリストだ。IoT から日々蓄積される膨大なデータの中から、必要なデータを見分け、結びつけて分析し、社会課題の解決や新たな価値の創造に生かしていく人材の育成が期待されている。データサイエンスを学ぶ学部を新設する横浜市立大学と、業務にデータを活用する企業に、データサイエンスの学問内容や求められる力などについて聞いた。

*Internet of Thingsの略。スマートフォンやパソコンだけでなく、様々な物に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり、相互に通信したりして、自動制御や情報収集などを行うこと。

登場人物紹介

  • 山中竹春 やまなか・たけはる

    横浜市立大学 医学部臨床統計学 教授
    データサイエンス推進センター 副センター長
    米国国立衛生研究所(NIH)、国立がん研究センター部長等を経て、2014年4月、横浜市立大学へ。理学博士。研究分野は、医学研究の計画や解析に関する統計的方法論の開発。

  • 相原朋子 あいはら・ともこ

    東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
    神奈川事業部 コラボレーション推進部 部長
    1992年NTT入社。映像通信システムの開発等を担当。99年NTT東日本入社後は、通信ネットワークの設計・構築、新サービスの開発等に携わる。

  • 永井紘 ながい・ひろし

    横浜マリノス株式会社 事業統括本部
    FRM事業部 FRM&デジタルマーケティング課 担当部長
    2007年4月入社。チケットセールス、ホームゲームの企画・運営、ファンクラブマネジメント等を担当。

機器の管理やマーケティングに不可欠な存在

山中教授:お2人の会社では、データをどのように活用されていますか。

相原さん:通信サービスの提供を主力事業とするNTTでは、データ活用の場は主に3つ挙げられます。1つめは、通信設備の管理です。通信機器やネットワークの稼働状況を収集・分析し、異常の検知や故障予測をして、サービス運用・保守に利用しています。通信サービスが途絶えると社会的影響は大きいので、重要な役割です。2つめは、当社のサービスを利用されるお客様へのデータ分析サービスの提供です。例えばWi-Fiの導入店舗でのお客様のWi-Fi利用状況を分析し、店舗における販売促進活動の提案をしています。3つめは、当社のサービス利用者のデータを分析したマーケティングへの活用です。

山中教授:まさにデータを生み出す企業として、データ活用の幅は広いですね。プロスポーツ界ではどうですか。

永井さん:海外にはデータ分析の専門家がいるチームもありますが、日本ではデータ分析の気運が高まり始めたところです。私たちのクラブでは、選手の走行距離の分析以外にも、チケット販売やファンクラブの運営にデータを活用しています。ウェブサイトでご購入いただくと、購入者の性別や年齢層、居住地域、好きな選手などが分かるので、それらをホームゲームの企画・運営やチケットの販売促進活動に生かしています。また、選手の移籍に伴う観客動員数やファンクラブの会員数への影響も、蓄積したデータを分析して予測を立てています。ただ、まだまだ分析の精度が低いのが現状です。今後、データサイエンスの専門家が育成され、スポーツ界でも活躍してくれることを期待しています。

NTT東日本

お客様の誘引や利便性向上のため、Wi-Fiを設置する店舗が増えており、来訪者のWi-Fi利用状況を分析して販売促進に活用するなど、データを基にした付加価値を提供している。

横浜マリノス

プロスポーツ界でも、マーケティングにデータ分析が活用されている。試合では、来場者にファンクラブ会員証をタッチしてもらって記録に残し、ファン層を分析して、ホームゲームのイベントの企画立案などに生かす。

現場に根差した数字を見る目を持つ

山中教授:データ分析を行う際に大切だと思われることは何でしょうか。

相原さん:データ分析のセンスだと思います。データは相手を納得させる提案の根拠となるものであり、そのために、どのデータを抽出するか、データをどう組み合わせれば何が分かるのかといった着眼点が肝になります。現場の知識と経験はもちろん、データサイエンスの専門性があってこそ持てるものだと思います。

永井さん:私は、扱っているのは数字でも、ファン一人ひとりを対象としていることを忘れてはならないと思っています。チケットの購入回数が多い方を抽出してシーズンチケットを宣伝しようとしたことがあるのですが、詳しく分析すると、その方なりのこだわりを持って席を選んでいることが推測できました。そうした方々に、こちらが指定した固定席のシーズンチケットを売り込んだら逆効果です。データ分析は必ずしも機械的にできるものではないのだと痛感しました。

山中教授:データを単に分析するのではなく、データが発生する場の知識を持ち、その現場で求められていることを把握し、その場にいる人たちと対話をしながら課題を解決していく姿勢が大切なのですね。

永井さん:もちろんデータ分析によって自動化される業務もありますが、人間にしかできない仕事もあり、今後はそこに資源が集中投下されるようになると考えています。

課題解決に取り組む学問として文理の両面が大切

山中教授:データサイエンスが、仕事のあり方も変えているようですね。私がかかわる医療界も、ビッグデータが医療行為や診断のあり方に影響を与えつつあります。

相原さん:リスクマネジメントの手法も、SNSの普及で変わりました。例えば、新商品を出した時、SNSで「NTT」と一緒に使われている言葉を分析し、「使えない」「駄目だ」といった否定的な言葉が多ければ、すぐに原因を探り、対策を取るといった具合です。今後、通信回線の高速化や人工知能の進化などにより、データサイエンスの可能性は一層広がると思います。

山中教授:本学はデータサイエンス学部を新設予定ですが、データサイエンスを学ぶ学生や志望する高校生にメッセージをお願いします。

相原さん:データ活用は、中小企業がまだ踏み込めていない領域です。地域の企業と学生が地域の課題に一緒に取り組んで解決するなど、大学に期待されることがたくさんあると思います。現場の課題を把握し、データ分析の手法を用いて解決していくためには、理系と文系、両方の要素が必要であり、ぜひ身につけてほしいと思います。

永井さん:データサイエンスだけではないかもしれませんが、探究心を大切にしてほしいと思います。「何でだろう」と疑問を持ち、仮説を立て、正解を得る・得ないにかかわらず、追究を繰り返すことで、物事の本質をつかめると思うからです。また、情報を鵜呑みにせず、背景や真偽を考えて見極める習慣を、高校生のうちからつけておくとよいと思います。

※この記事は、ベネッセ教育総合研究所 『VIEW21』高校版 2017年度6月号より引用しています。

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