生活科学を学んでいる先生のインタビュー

プロフィール
松浦寿喜先生
食物栄養科学部 食創造科学科
静岡薬科大学大学院薬学研究科修了。大塚製薬工場研究員を経て現職。専門は食品衛生学、食品安全学。
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この学問の面白さとは?
食品成分の機能を解明し、みんなの健康づくりに貢献
先生の探究ヒストリー
夢中になったきっかけ
点滴は万能ではない?
血管に注射針を刺して薬剤を投与する「点滴」には、さまざまな成分が含まれています。私は大学で薬学を学んだ後、製薬会社に就職し、栄養補給を目的とする点滴の研究に携わりました。栄養素を全て含むことから「点滴は万能だ」と思っていました。しかし、食品を摂取するときのように胃や腸を通らないため、消化・吸収の機能が落ちてしまうことに気づき、あらためて、食事の大切さを理解し、食や栄養について学びたいと思うようになりました。
現在の研究内容
食品の“機能”に注目 !
食品に含まれている成分の中には、例えば、血糖値を下げる効果を持つカテキンのように、人間の身体に何かしら作用するものがあります。私の研究室では、食品成分の機能性について研究しているほか、人々が安全・安心して食生活を送れるよう、健康食品の品質評価を行っています。
今、注力している研究テーマはプロテイン*です。摂取後、体内でアミノ酸濃度がどのように変化しているか調べています。たくさんのデータを集め、科学的根拠に基づいた製品化につなげ、アスリートや高齢者をサポートしたいと考えています。
高校生へのメッセージ
食の研究で健康を支える !
食品の成分は薬ほど強い作用はないものの、病気を予防する効果が期待できます。ぜひ食品の機能について研究し、人々の健康な生活に貢献してください。
*タンパク質を補給するサプリメントのこと
先生の探究STORY
学問に目覚めたきっかけ
音楽が好きで、高校3 年の1学期まで音楽大学志望だった。しかし家庭の事情で断念し、得意科目の化学と数学を生かせる薬学部に進学。
製薬会社に就職ターニングポイント
大学院修了後、製薬会社に入社。点滴の研究開発に取り組むうちに、「栄養」への興味・関心が高まる。
食の機能と安全
8年勤務した製薬会社を退職。武庫川女子大学の教員として、食の安全や食品の機能性に関する研究や食品メーカーとの共同開発に取り組む。
学問の魅力を感じられる
先生オススメの1冊

『腸は考える』
岩波書店
藤田恒夫/著