奥羽大学/卒業した先輩の職業体験記

私は現在、病院薬剤師として大学病院に勤務しています。入院患者さんや外来の患者さんへの薬の調剤だけではなく、急性薬物中毒が疑われる場合は薬物血中濃度を測定し、測定結果と中毒プロファイルを医師に提供するといった業務にも携わっています。また、がん細胞の画像診断を行うPETセンターで使用する薬品の管理を担うこともあり、こうした調剤薬局にはない業務や、調剤薬局では取り扱わない薬に触れる機会が豊富にあるという点が、病院薬剤師の魅力の一つだと思います。
患者さんによって病気や服用する薬、抱えている悩みはさまざま。薬学的知見をもとに医療に貢献できる立場として患者さん一人ひとりによりよい薬物治療を提案し、寄り添うことのできる薬剤師は、とてもやりがいのある仕事です。

薬に関する知識はもちろん、血中濃度測定や薬物動態、クロマトグラフィー、放射性物質に対する知識など、大学で学んできたことはほぼすべて、現在の業務に生かされています。例えば薬物血中濃度を測定する方法も、大学で学ぶことができたからこそ、現場での実践を通し「この測定がなぜ必要なのか」を紐付けて考えられるようになりました。大学で身に付けた知識をどうブラッシュアップしていくかは自分の努力次第なのだな、と日々痛感しています。
さらに、薬学を学ぶためには中学や高校で学んできた数学、生物、物理などの知識をフルに活用することになります。何に使うかわからない因数分解や微分・積分も、薬学の世界では必要になるケースがある。勉強してきたことが無駄にならないところも、私にとって魅力でした。

今後は薬剤師として患者さんのために働きながら、大学院に進学して学位を取り、これからの医療に貢献していきたいと思っています。特に関心があるのはがんの認定薬剤師。学生時代の実習先で抗がん剤の調製を経験したことがきっかけです。東北地方は全体的に薬剤師が不足しているので、大学院で学びを深めさらに知識を身に付けることで、地元の医療に還元していけたらと考えています。

どの大学でも、薬学部は「薬剤師国家試験合格」をゴールとし、合格とその後の薬剤師人生のため、モデルコアカリキュラムという統一された指針のもと、勉強していくことになります。そのため進路を決める際は、どこに行けば自分の目標を達成できるのか、将来どんな薬剤師になりたいのかを意識することが大事。
奥羽大学は過保護と言ってもいいくらい授業での復習を徹底しています。勉強が苦手な学生でも授業を受け、内容についていけば、国家試験に十分合格できると思います。現在は向上心がある優秀な学生には授業料免除という破格の待遇もあるようなので、奥羽大学が選択肢に入っていなかった人にもぜひ一度チェックしてみてください。