住みよい環境づくりをサポート!「環境コンサルタント」のオシゴト

「地球温暖化」や「大気汚染」など、ニュースでよく耳にする環境問題。その解決に向けて、地域や学校、企業など、さまざまなところで、いわゆる「エコ活動」が行われている。こうした地域、学校、企業などを支援するのが、環境コンサルタントだ。どのような仕事なのか、具体的に見てみよう。

環境問題の専門家として活躍

そもそもコンサルタントとは、官公庁や民間の企業・団体に対して、専門的な立場から、業務についての相談に乗ったり、問題解決のための提言をしたりする人のこと。経営コンサルタントやITコンサルタントなど、さまざまなコンサルタントが活躍している。

そのうち、環境に関するエキスパートが、環境コンサルタントだ。主に大気汚染や水質汚染などの公害問題の調査、大型商業施設の建設や高速道路の開発など、大規模な事業を行う際の環境への影響の調査・予測・評価(環境アセスメント)を行っている。自然環境をどう守るか、あるいは自然との調和を図りながらどのようにして住みよい環境をつくるか。数多くの方法で調査・分析を行い、その結果をもとに解決策を考え、提案するのが仕事だ。

コンサルティングの内容は大きく4種類

環境コンサルタントは、その業務分野によって、「建築系」「アセスメント系」「法規制系」「CSR系」の大きく4つに分けられる。

建築系

建物の建設や開発工事が環境に与える影響を調査する。例えば、工事によって野鳥は減らないか、温暖化・大気汚染は進まないか、予測を立て、対策も検討する。

アセスメント系

モノがつくられてから捨てられるまでの過程を、「製品ライフサイクル」という。この過程の中で生じる、CO2の発生量や、有害物質の処理を調査するのが主な仕事だ。

法規制系

環境に関する法律によって定められている、さまざまな規制をクリアするためのアドバイスを企業に対して行う。輸出品・輸入品に関する法律は国によって異なる場合があり、国内外の法律どちらにも精通する必要がある。

CSR系

企業がCSR(社会貢献活動)として行う環境保全運動をサポートする。事業とうまく関連した活動の計画を立てたり、社員の環境に対する意識を調査したり、サポートの仕方は多種多様。

今後も活躍への期待は大きい

SDGs(持続可能な開発目標)の達成が世界的な課題となっている今、環境保全問題に取り組む企業はますます増え、その活動が企業イメージに影響を及ぼす時代になっている。こうした背景から、環境コンサルタントは今後も引き続き求められる人材だと考えられる。

環境コンサルタントになる人の多くは、大学、短大、専門学校の環境学系・生物学系の学部・学科・コースに進んで環境に関する知識を学び、環境問題を専門に扱う研究所や調査会社、コンサルティング会社に就職している。技術士・技術士補(環境部門)や環境計量士、 港湾海洋調査士(環境調査)、環境アセスメント士、公害防止管理者(大気・水質)などの資格を持っておくと活躍の場が広がる。取り組みたい分野を考え、関連のある資格を調べて、その資格が取得できる進学先を探してみるのもいいだろう。

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