大妻女子大学/私のイチオシ
居心地のよい地域を考える
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
皆さんが毎日通う通学路や、よく立ち寄るコンビニエンスストア、あるいは近所の公園。実はこれらの風景の中には、福祉の視点がたくさん隠れています。例えば、近所の方が登下校中の小学生に声をかけたり、ごみ捨て場を誰かが清掃していたり、雪のひどい日に誰かが玄関先の雪かきをしていたり…。これらは単なる親切心というだけでなく、地域の中で人々が安心して暮らすためのインフォーマルな(制度に基づかない)支えあいという福祉の形でもあります。福祉は、特別な施設の中で特別な対象者に対してだけ行われるものではなく、皆さんの身近にある居心地のよい地域づくりを考える学問でもあります。
この学問のココがおもしろい!
福祉の中でも、私が専門とする地域福祉のおもしろさのひとつは、地域ごとに幸せのカタチが異なることです。幸せのカタチが異なれば、地域福祉を推進するための取り組みも異なります。ある町では伝統的なお祭りが住民の絆を強める鍵になります。また別の新興住宅地では、SNSを活用したゆるやかなネットワークが人々の心の支えになることもあります。そのため、マニュアル通りにはいかない人間関係の豊かさや、困難を抱える人が孤立せずに地域で共に生きていくための取り組みを、地域住民の方々と対話を重ねながら探っています。研究者としては、統計データも活用しながら、そこに表れない一人ひとりの物語にも触れ、フィールドワークで地域づくりに取り組む過程に、探究心と感動が詰まっていると考えています。
キャンパスのお気に入りスポット
オープンキャンパスでは、建物や設備に目が向きがちですが、私が皆さんに見てほしいのは途中の何気ない一角です。そこから眺めると、奥に桜が並び、手前には枝振りのいい楓が手の届く距離にあります。気にしなければただの通り道ですが、春には桜が舞い、秋には楓が鮮やかな紅葉を見せてくれます。季節ごとに異なる色彩が見られるこの場所は、ふと目をやるだけで呼吸を整えさせてくれます。地域福祉においても、こうした何気ない日常の中に、誰かの居心地のよさや、地域への愛着が隠れていることがあります。ぜひ、急ぐ足を少しだけ緩めて、スマホから目を離し、風景を眺めて空気を感じてみてください。そこに流れる時間を体感することが、福祉を学ぶ第一歩になるかもしれません。