にほんじょし

日本女子大学

私立大学 東京都

※食科学部(仮称)は2025年4月開設に向けて構想中

日本女子大学/私のイチオシ

フードシステムの観点から食品ロスを考える

顔写真
家政学部 家政経済学科 教授 小林富雄先生

※掲載内容は取材時のものです

コレ知ってる?

皆さんは誰かに贈り物をしたことがあると思いますが、日本ではよく贈答にお菓子などの食品が用いられるといわれています。もし自分がもらった贈り物が余りものだと分かったらどう思いますか?失礼だと思ったり、悲しくなったり、それでもうれしいと思う人もいるかもしれません。
世界のフードシステムで少しずつ対策が進んでいる食品ロス問題ですが、特に日本の場合、見知らぬ人に対する「寄贈」や「おすそ分け」を通じて食品ロスを削減する取り組みが、諸外国に比べて著しく劣っています。今、国内では少子高齢化が加速するなかで地域の急速なソーシャルキャピタル(社会関係資本)が失われ、さらに物価高が重なり、貧富の差が大きな社会問題となっています。そこで食品ロス対策としてのフードバンクや子ども食堂の活動支援が注目を集めています。日本のフードシステムは、飽食の時代に食品ロスを減らす1つの方法として、あらゆる国民へ食料を配分するシステムの再構築が求められています。

この学問のココがおもしろい

フードシステム論は、個人や企業単体の問題を扱うだけでなく、それらの関係性から生まれるパフォーマンスである「システム」に注目しながら分析する応用科学の分野です。経済学、社会学、心理学などのフレームワークを生かし、フィールド調査などの質的調査や、企業や官公庁への取材、アンケート等による定量調査により仮説検証を進めるスタイルが一般的です。また近年ではAIの発展もあり、探索的なアンケート調査や統計分析にチャレンジする人も増えてきました。
研究フィールドは学内の講義や文献だけでなく、東京近郊はもちろん海外にまで広がっています。そこにいる人々は社会で活躍するプロフェッショナルです。このような方々に直接お会いできることも本研究室の特徴です。調査の過程では、名刺を作ったりメールや電話でアポを取ったりするため、就職活動や社会人になってからも使えるスキルが身につくことも期待できます。

キャンパスのお気に入りスポット

一番のお薦めは目白台という閑静な立地と、地域の方々との繋がりでしょう。落ち着いた場所でディスカッションや執筆をする空気感があります。一方で、東京は世界最大の飲食店が立地するエリアですが、近くには新宿、池袋、韓国料理などが集まる新大久保など、特にフードシステム論的に魅力的かつ活気のある場所が数多くあります。 文京区というエリアでみると、行政や大学間ネットワークを生かした社会問題の解決に積極的で、知的好奇心を満たしてくれると同時に大変住みやすく、人気のエリアとなっていることは周知の事実だと思います。
先日区長は「文京区の最大の産業は大学である」とおっしゃっていました。学内で学んだことを学外で生かして、そこで学んだことを学内に持ち寄って新しいイノベーションを生む。このような好循環が作れれば、学生の皆さんの学習効果も最大化されることでしょう。具体的なお薦めスポットは、たくさんあるので書ききれません。もし皆さんとご縁があれば、先輩たち同様にいろいろな場所へお連れしたいと思います。

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