日本女子大学/私のイチオシ
食品容器の形状と中身の相性がロスの発生におよぼす影響について研究

※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
近年、資源を有効に利用し、また環境負荷を軽減するために食品の包装をできるだけ簡素にしようという動きが世界的に高まりつつあります。一方、包装を使わないことによって食品ロスが増えたり、それとも関係しますが、輸送や廃棄にかかる環境負荷がむしろ大きくなってしまったりするといった別の問題が発生することにも注意しなければなりません。食品包装学では、それらの背景を踏まえたうえで過剰でも不足でもない「適正包装」を品目ごとに考えます。
この学問のココがおもしろい!
包装には、「中身を守る(保護性)」「使う人に便利さをあたえる(便利性)」「使う人に情報を伝える(情報伝達)」という大きく分けて3つの役割があります。そのうち食品ロスの削減に貢献できる役割といえば「保護性」のみに着目しがちですが、近年「便利性」や「情報伝達」が果たせる役割についても注目が高まりつつあります。
例えば、練りわさび製品では、チューブの改良によって内部に残る量が大幅に減りましたし、ヨーグルト製品ではふたの改良によって、付着し廃棄される量が少なくなりました。賞味期限表示の工夫によるロス削減の試みは「情報機能」によるものですね。私たちの研究室では「保護性」のほか「便利性」にも着目し、食品容器の形状と中身の相性が容器の中の取り残し(ロス)の発生におよぼす影響について研究しています。
キャンパスのお気に入りスポット

それはもう自身の研究室である「食品学・食品包装学研究室」でしょう。
食品や物性を正しく測定したり貯蔵試験を行ったりするためには温度の管理が重要となることが多く、当研究室ではそのための恒温器を備えています。また、食品の貯蔵試験では、ガス環境をさまざまに変えなければいけないことがあり、これに対応するために、酸素・二酸化炭素・窒素を任意の濃度で混合できるガス混合器、大がかりな分析装置を使わずに酸素・二酸化炭素濃度を数秒で測定できるガス濃度計があります。その他、食品輸送中の温・湿度や衝撃環境を記録するための計器が複数あります。
※2025年4月、家政学部食物学科を基に、食科学部を開設。食科学科と栄養学科で構成。