
AIの進化、市場のグローバル化、
異常気象、少子高齢化など、
さまざまな要因が絡み合い、
予測不能な変化が次々に起こる現代社会。
従来の論理的な考え方だけでは
複雑化する社会課題の解決が困難になる中、
「アート」の持つさまざまな力に
注目が集まっています。
「アート思考」は「実践」が重要。
アーティストが持つ、0から1を創造する力。アートが持つ、人の心を動かす力。そうした力が生み出される際の思考を、社会課題の解決やビジネスにおけるアイデア創出に活用する「アート思考」という発想法が注目を集めています。
アート思考ではすでにある正解ではなく、自分なりの答えを追求します。その過程では単に頭の中で考えるのではなく、「実践」が非常に重要です。自らの直感や感性をもとに自ら手を動かし、試行錯誤を繰り返す――その先で、従来の常識にとらわれない革新的なアイデアが現実のものとなります。

異分野をつなぐことで
広がる可能性。
アート思考において異分野の視点や技法をつなぐことは、新たな価値を生み出す重要な鍵となります。例えば、テクノロジーとアートを融合させて、AIによるデジタルアートを生み出す。生物学とファッションを融合させて、自己修復する衣服を開発する。1つの分野だけにとらわれていると思考が固定化しがちですが、異分野と融合することで、まったく新しい発想が生まれ、実現できる可能性が広がります。
日本大学芸術学部に
おける事例
「千葉県富里市」の魅力を発信。
富里市のPRポスターや、毎年6月に開催されるスイカロードレース大会のPR動画制作を行い、富里市の魅力を発信しています。現地に取材に行き、写真撮影や地元の方との交流を通して地域の魅力を発見していきます。

「STEM教育」に加えられた「A」。
アートが持つ力の重要性は、教育分野においても注目されています。STEAM教育という言葉をご存じでしょうか。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、芸術(Arts)、数学(Mathematics)を横断的に学び、未来を創る人材を育成する教育法です。
もともとは「STEM教育」と呼ばれていましたが、科学・技術の発展を支える人材には、創造性や感性を磨くことが不可欠だと考えられるようになり、ArtsのAが加えられました。
芸術系の教育はいま、柔軟な発想や他者と協働する力を育む教育として、意義が一層高まっています。

「探究」における
STEAM教育の広がり。
STEAM教育は、皆さんが高校で取り組んでいる「探究」の学習活動とも関連しています。文部科学省では「総合的な探究の時間」の目標を「横断的・総合的な学習を行うことを通して、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成する」としています。この目標はSTEAM教育と重なる部分が多分にあるため、「探究」の学習活動にSTEAM教育を導入する学校が広がっています。
高等学校に
おける事例
各教科において探究的活動を展開
兵庫県立加古川東高等学校では、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校としての経験を活かしたさまざまなSTEAM教育を実践。例えば家庭科における探究的活動では「祖父母の食生活改善術」「汚れの落ち方の洗剤比較」など生活に身近なことから問いを立て、実験・実践し、結果をレポートやポスターで発表しています。

「アート思考」と「STEAM教育」には共通点があります。創造性や柔軟な発想を促すこと。さまざまな分野の融合を重視していること。そして、知識を習得するだけでなく、実社会における課題解決の実践を大切にしていることです。
こうした社会課題解決へのアプローチ法が注目を集める中で、大学におけるこれからの芸術教育はどうあるべきでしょうか。



- 日常的に異分野と
交流・協働できる環境。 - 日本大学芸術学部は、1921年の創設以来「日藝」の愛称で親しまれ、実技中心の大学教育を行う国内初の芸術総合学部として、100年を超える伝統と実績を築いています。江古田にあるキャンパスには「写真・映画・美術・音楽・文芸・演劇・放送・デザイン」の8学科が集結。学科・地域・社会の垣根のない都市型キャンパスの中で、日常的に幅広い分野の人たちとの交流・協働を実践できます。また、日本大学という国内最大規模の総合大学としてのネットワークを活かした独自の教育システムを構築しており、単科の美術系大学・音楽系大学とは異なる独自のアイデンティティを保ちつつ、芸術分野、そしてそれ以外の分野にも貢献するための教育を続けています。
- 大学生による社会課題解決を推進。
-
日本大学芸術学部では近年、社会課題解決を推進しており、「日藝ならではの産官学連携プロジェクト」を掲げています。
在学生は大学が連携した地方自治体や企業と協働し、さまざまな立場の人たちと交流しながら、デザインや映像制作の技術など、日本大学芸術学部で得た学びがどのように社会や地域に関わりを持つのか身をもって体験。学生のうちだからこそできる貴重な挑戦の機会となっています。

令和8年度から一部学科で
コース・専攻を変更し、
伝統の学びがさらに進化
日本大学芸術学部では、芸術総合教育のより一層の充実と芸術・文化全般にわたる広い視野を持った人材の養成を目的とし、学士課程全体を見据えたカリキュラム体系を教育目標に照らしながら系統的に整備することにより、学生の学修満足度を高める事を目標として、令和8年度以降の入学者を対象としたカリキュラム変更及び一部の学科においてコースの改編を行います。
変更内容
-
1
音楽学科が、6コースから2コースに再編、新たに音楽文化マネジメント専攻を新設します
-
2
演劇学科が、4コースから3コース10専攻に変更し、新たに衣裳専攻を新設します
-
3
映画学科、映像表現・理論コースにアニメーション専攻を新設します
-
4
大学院(博士前期課程)で修士(芸術)= MFA:Master of Fine Arts が取得できるようになります
※芸術学部における「専攻」は各コースの履修科目のうち、領域に特化した専門科目の履修系統となります。
※芸術学部における「専攻」別に試験科目が異なる学科がありますので、詳細は「芸術学部公式WEBサイト」をご確認ください。
一部学科のコース・専攻
改編について
2コースに再編、新たに音楽文化マネジメント専攻を新設
令和8年度の学則変更に伴い、「情報音楽コース」と「音楽芸術コース」(作曲、理論、音楽文化マネジメント、声楽、ピアノ、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器)の2コース9専攻にわかれます。

映画学科 映像表現・理論コースにアニメーション専攻を新設
映像表現・理論コースでは、2年次より専攻に分かれた授業設計となっています。令和8年度の学則変更に伴い、これまでの理論・批評専攻、シナリオ専攻、映像専攻の3専攻に加えて、新たにアニメーション専攻を設置することになりました。

4コースから 3コース 10専攻制に変更します
演劇学科は、様々な表現方法の確立や社会構造の変化を見据え、高い専門性と専攻横断的な学びが共存するコース再編を行いました。舞台構想コース(劇作、演出、企画制作)、演技舞踊コース(演技、舞踊)、デザイン技術コース(美術、照明、衣裳、音響、舞台監督)という3コース10専攻の中で、学生自身が学びをレイアウトします。

MFA = 修士(芸術)の学位が取得できるようになります!
令和8年度入学者から受講するカリキュラムおよび修了時に提出する学位(修士)論文又は制作・作品に応じて以下の、どちらかの学位を取得できるようになります。
