甲南女子大学/私のイチオシ
健康につながる栄養について、探究心を満たす学び
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
私たちの体にはたくさんの微生物が住んでおり、その代表である腸内細菌は、体と脳の機能を調節することが知られています。中でも乳酸菌やビフィズス菌は善玉菌といわれ、ヨーグルトなどの発酵食品にも入っています。最近では、お腹の調子を整えるだけでなく免疫機能や認知機能の向上、睡眠や体質改善、ストレス緩和に働くことが期待される乳酸菌・ビフィズス菌がヨーグルトに利用されています。勉強や部活で疲れた脳と身体を休めるのにも役立つかもしれません。
この学問のココが面白い!
食物繊維やポリフェノール、乳酸菌、ビフィズス菌といった非栄養素の食品成分には、心身の健康をサポートする機能があると考えられています。実際に、トクホや機能性表示食品として利用されているものも多いです。これらの機能性食品に関する研究は日本が発祥で、今では世界中で大きな関心を集めています。私は、ポリフェノールと腸内細菌の関係について研究しており、ポリフェノールがビフィズス菌の健康機能を高める可能性を発見しました。非栄養素の健康機能はまだまだ多くの謎が残されており、毎日のように新しい発見が報告されています。
キャンパスのお気に入りスポット
私のお気に入りは「実験室」です。「実験室」には、食品成分を分析する精密機器が複数あります。食品成分は手でつかんでより分けることも、目で見て判別することもできないので、光の吸収や放出、質量といった特性を利用して検出します。食材だけでなく、食事をして体内に入った成分も分析でき、見えない成分の量を測る、まだ誰も知らない成分を見つけるなど、探究心を満たすために欠かせない機器です。食品成分に限らずあらゆる化学物質の分析に利用されるため、使い方を習得することでさまざまな分野で活躍できるでしょう。