関西女子短期大学/私のイチオシ

ほとんどの人は毎日歯を磨くと思います。厚生労働省の調査では約8割の人が1日2回以上歯を磨くと回答しています。歯磨きの一番の目的は、歯についている細菌の塊（プラーク）を除去することです。むし歯も歯周病も細菌が原因で起こります。しかし、それらの発症・進行には、生活習慣などほかの要因も関係します。そのため、若い頃から適切な予防法を実践し、高齢になっても歯を失わず、生涯自分の歯でおいしく食事をすることができるようになってもらうことが予防歯科学の役割です。

子どものむし歯は近年減少していますが、成人のむし歯や歯周病の有病率は依然高いままです。歯周病の初期段階である歯肉炎になると、歯茎（歯肉）が赤く腫れて出血しやすくなります。放置すると歯を支える顎の骨が破壊される歯周炎に進行し、最終的に歯が抜けてしまいます。歯周病は若い頃から予防することが重要です。私は、歯周病の原因となる細菌が口の中に定着するメカニズムについて研究をしてきました。最近は、健康な歯肉を保つための食品についても研究を進めています。

歯科衛生士をめざす学生は、講義や実習を通して必要な知識や技能・態度を修得します。本学には60台のマネキンを設置した実習室と、40台の歯科用チェアーを設置した臨床実習室があり、より実践的な学びの場を提供しています。まずマネキンを相手に手技を学び、その後、実際の歯科医院で使われているものと同等の歯科用チェアーを使って相互実習を実施します。そのほかパノラマX線撮影装置などもあり、歯科衛生士の仕事を体感できる設備が充実していることが本学の自慢です。