文理選択の考え方

文系・理系の選択は、将来の職業や大学・学部選びにかかわる重要事項。ここでは、いつ、どうやって文理選択を考えればいいのかがわかります。

文理選択とは 高1で行われる初めての進路選択

文理選択とは、子どもが将来「文系」「理系」のどちらに進むのかを決定することですが、実際には大学受験の際に文系型・理系型のどちらで受験するかを決めるという側面が大きいです。多くの高校では、高1の秋までに文理選択を行い、その決定をもとに高2からは文系コース・理系コースに分かれ、学ぶ科目や授業時間数が変わってきます(※1)。
将来就きたい職業や、学びたい学問にも大きくかかわる文理選択。大学入試の仕組みや学部・学科構成が複雑化する現在、「数学が苦手なら文系」などと科目の得意・苦手だけで文理選択を決定することはおすすめできません。子どもとよく話し合い、情報収集をしながら決定していきましょう。

※1 文理選択の時期や方法、スケジュールは高校によって異なります。また、高校によっては文理によるコース分け・クラス分けがないことも。その場合でも、文理選択を通じて高2での履修科目を決定することが多いようです。

文理選択のスケジュール

高1・6月ごろ~

文理希望調査

高1・夏休み

オープンキャンパス参加
興味のある学問について調べたり、模擬講義に参加したりして理解を深める。

高1・11月ごろ

文理希望調査(最終決定)
迷いがある子どもに対しては、担任による面談なども随時行われる。

高1・12月ごろ

三者面談
提出した文理の希望をもとに、将来の希望進路について本人・保護者・担任が共有。

高2・4月

文理コース別授業スタート

文理選択決定法1 将来の目標から考える

子どもが将来にわたって納得できる文理選択をするためには、「将来どんな職業に就きたいか」を考えることが大切です。例えば、医師になるためには数学や生物の知識が必要⇒理系に進んだ方がよい、というように、将来を考えることによって、これから学ぶべき方向性が明確になります。文理が職業と直結しない場合も多々ありますが、「希望する職業に就くためにはどんな知識が必要か」を調べるよい機会にもなります。ぜひ親子で将来の目標から文理を考えてみましょう。

文系だと有利な職業例

裁判官
司法試験に合格することが必要。法学系学部卒業後、法科大学院へ進学するのが一般的。

図書館司書
多くの大学の文学部、教育学部が司書課程を設けており、その単位を取れば資格が取れる。

公認会計士
経済全般についての専門家だけに経済学部、商学部などの文系学部出身者が多い。

理系でしか就けない職業例

医師
医学部を卒業し、医師国家試験に合格することが必要。

獣医師
獣医学部などを卒業し、獣医師国家試験に合格することが必要。

薬剤師
薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格することが必要。

文理選択決定法2 大学で学びたい学問から考える

文系・理系のどちらに進んでも希望の職業に就ける場合や、将来の目標が決まっていない場合は、「将来学びたい学問」から考えるのも手です。しかし近年、「情報文化学部」「総合情報学部」など、理系・文系のどちらの要素も持ち合わせた「文理融合型」の学部も多くなっています。また、経済学は「文系学問」に分類されますが、実際には数学の知識が必要というような場合もあります。興味のある学問や、その学問を学ぶうえで必要となる知識を調べるとともに、興味のある大学・学部の入試科目をチェックして文理選択を考えましょう。

文理別・学部の例

文系学部

入試科目に英・国・地歴公民が含まれていることが多い。
文学部
社会学部
外国語学部
法学部
経済学部
経営学部
商学部
国際関係学部 など

文理融合学部

志望大・学部の入試科目をチェックしてから文理選択を。
総合科学部
生活科学部
芸術学部
教育学部 など

理系学部

入試科目に数学・理科が含まれていることが多い。
理学部
工学部
農学部
医学部
歯学部
薬学部
看護学部
獣医学部
水産学部 など

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