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「怪談は夏のもの」は本当?当たり前を問い直す民俗学

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文学部 日本文学科 飯倉義之先生

※掲載内容は取材時のものです

コレ知ってる?

民俗学や伝承文学というと、私たちの生活とは直接関係のない、過去の文化を考える学問分野だと思うのではないでしょうか。あるいは「民俗」や「伝承」は、「現代」や「都市」と対極にあるものだと思うのではないでしょうか。しかし、私たちの周りには「民俗文化や伝承を新たに位置づけ直して創造している」物事がたくさんあります。その一例が、民俗社会の共有知識であった「妖怪」を再解釈して生み出されるエンターテインメント作品や、近畿地方の節分の行事食が商品化され、2000年頃に全国へと広められた「恵方巻」などです。こうした身近に当たり前にあるものにも、その前史となる「何か」があります。そんなわれわれの「いま・ここの生活」の「当たり前」を対象にする学問が民俗学であり、伝承文学です。見聞きするもの全てが研究対象だと考えると、面白い学問ではありませんか?

この学問のココがおもしろい

身近で、当たり前で、よくわかっていると思っていた物事への認識――固定観念――がひっくり返る。そんな経験が民俗学・伝承文学の醍醐味です。例えば「怪談は夏のもの」と思っていませんか?しかし、必ずしもそうとは限りません。ヨーロッパでは初冬、アメリカではハロウィーンが怪談の季節です。では、なぜ日本では夏が怪談の季節なのか。それは「盆行事」があるからです。お盆には祖先の霊がこの世に戻ってきますが、同時に無縁仏や悪霊も戻ってくると考えられていました。恨みを持った霊が出現するのにふさわしい季節がお盆のある夏だったため、日本の夏は怪談の夏となったのです。これでひとつ固定観念から解放された方もいるのではないでしょうか。民俗学・伝承文学の面白さは「当たり前」の問い直しにあります。

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創立以来、長きにわたり広く文献史資料を収集

図書館は、「本でできている大学」を自認する國學院大學の財産です。火事に弱そうな名乗りですが、もちろん建物が本でできているわけではなく「学問の基礎を図書館の蔵書に持つ」という自負からの名乗りです。 本学は神道・国史・国文・国法の研究機関として、私立大学の設置を定めた大学令以前から教育・研究を行い、数多くの史資料を収集・保存してきました。図書の収集・保存は困難を伴います。特に過去に出版された貴重書は、現在ではなかなか手に入れることができません。災害などでの損失を受けても、なお後に珍重される稀覯本(きこうぼん)となるような図書を収集し続けてきたことは本学の誇りです。ぜひ図書館を見学し、入学後には活用し尽くしてください。

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