國學院大學/私のイチオシ
中国文学から「人生において大切なこと」を学び、生きる指針を得る
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
昨今、中国に対する印象が悪かったり、中国が遠い国に思えたりすることもあると思います。しかし、私たちが使っている漢字は中国に由来し、日本文学の源流は中国古典文学にあります。また、お年寄りを大切にする考え方などは、儒教という中国の古代思想から来ています。中国古典を学ぶことで、日本の文学や文化、さらには日本人とは何かを発見できることでしょう。中国古典は先人の考えが詰まった宝箱です。私たちはそこから大切なことを学び、人生の指針にしていくことができます。
この学問のココがおもしろい
中国現代文学といえば、『阿Q正伝』『狂人日記』の魯迅(ろじん)が有名ですが、ほかにも多くの作家がいます。中国現代文学は政治との関わりが深く、社会主義や共産主義、革命などの要素が強く、親しみにくい印象もありますが、人間の尊厳や愛情を描いた作品も少なくありません。特に私の研究対象である謝冰心(しゃひょうしん)は、母親の愛や子どもの天真爛漫さ、自然を歌い上げた作品を書いています。私にとっても、皆さんにとってもなじみやすい題材であり、普遍的で根源的な価値観です。文学を学ぶことで人を知り、中国現代文学を通じて、中国や中国の人々が遠い存在ではなく、私たちと同じように生きる人々なのだと実感できるでしょう。人間関係に悩んだときも文学作品は何らかのヒントを与えてくれるかもしれません。
キャンパスのお気に入りスポット
図書館2階にある第一閲覧室には、中国文学作品に加え、中国文学に関連する研究書や参考書が豊富にそろっています。中国文学科の1年生を中心とするほとんどの学生がこの一角にある参考書を用い、一生懸命に学んでいます。一人で集中してコツコツ学んだり、ほかの学生と協力し合って調べ物をしたり、図書館の利用のしかたは人それぞれ。図書館、特に閲覧室は、日頃の授業の予習・復習を通して自らの能力が高まり、仲間との絆も深まる場所です。