國學院大學/私のイチオシ
史料に基づいて多面的に検討し、新たな解釈を導き出す
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
高校までに習う日本史・世界史の教科書の内容は、時代と共に変化しています。なぜでしょうか。ここに、高校までの歴史の授業と大学で学ぶ歴史学の大きな違いを考えるヒントが存在しています。高校までの日本史・世界史では、歴史上の人物や事柄についての知識を得ること、いってみれば知識の暗記が求められる場面が少なくありません。しかし、これと大学での歴史学の学びは性質が異なります。大学で学ぶ「歴史学」では、ほかの研究者の議論に学ぶ一方で、過去の人々が残した記録(史料)を自ら読解し、新たな事実や論点を見いだす中で、それらを多面的に検討し、自分なりの論点・解釈を導き出すことが学びの核となります。既知の事柄を再検討しながら、未知の事柄に挑むのが「歴史学」です。こうした研究成果の積み重ねの上に、歴史の教科書があります。だから中学校・高校で使う教科書の記述も、時代と共に変化しているのです。
この学問のココがおもしろい
歴史学の魅力は、研究テーマの設定が意外と自由な点でしょう。【1】史料に基づいて過去の事実を論理的に説明すること【2】自分の研究テーマと過去に別の研究者が論じた研究との関連性をきちんと明示すること。この2つの手続きを守っていれば、テーマ設定は自由です。アニメやソーシャルゲームの題材になっている歴史上の人物や出来事に興味がある、現代の日本や世界が抱える問題の起点はどこにあるのかを考えたいなど、どんな関心でも上記の手続きさえ守っていれば、まったく問題ありません。もちろん、教科書に記された歴史的な出来事を突き詰めたいというのも「あり」です。どのような出発点であったとしても、史料を通じて歴史を考えていく中で、テーマの入り口からは想像できないような、そしてインターネットでは簡単に検索結果が出てこないような、過去の人々の多様な営みを深く知ることになるでしょう。
キャンパスのお気に入りスポット
渋谷の街こそ、國學院大學の学生にとって学びの多い場所ではないでしょうか。國學院大學には学問や学部学科を横断して渋谷を考える「渋谷学」というプロジェクトがあり、私は歴史学の立場から渋谷の歴史も研究しています。いつからスクランブル交差点に人がたくさん集まるようになったのか、にぎやかな「渋谷」駅の周辺に閑静な住宅街がいくつもあるのはなぜか、なぜ渋谷には坂道がたくさんあるのか……これらの問いに答えようとするならば、学びは机上の勉強だけでは完結しません。実際に渋谷を歩き、考えてみることが大切です。渋谷を自分のフィールドにできるのが、國學院大學の魅力の一つでしょう。