日本映画大学/私のイチオシ
視覚・聴覚・触覚という3つの感覚から映画を分析する
映画学部 映画学科
田辺秋守先生
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
最近、アニメを見た後にそのアニメの風景を求めて「聖地巡礼」する人たちがいますね。私の「映画風景論」という授業では、もっと過去に戻って、古い実写映画の中の風景を求めて、時間的な旅をします。例えば1950年代の銀座を舞台にした映画では、四方を川に取り囲まれた銀座が写ったりしています。そう、ずいぶんと前の東京は、「水の都」だったのです。その時代の風景がもう映画の中にしかないこともあり、ドラマを撮った劇映画でも貴重なドキュメントなのです。
この学問のココがおもしろい
私の研究テーマは「映画の哲学」です。映画が人間にもたらす、感情的変化や身体的な変化、倫理的な態度の変化を総合的に考えるというものです。その基本にあるのは、現象学という哲学の考え方です。見ること(視覚)、聞くこと(聴覚)、触ること(触覚)という3つの感覚を中心にして、ここにはないものを想像するというイマジネーションの働きを考えながら、映画について分析しています。
キャンパスのお気に入りスポット
私がぜひ見てもらいたい本学のおすすめスポットは、白山キャンパスにある「今村昌平記念スタジオ」です。ここは、電動昇降式の照明バトンなどを備えていて、本格的な映画撮影が学べる施設になっています。学生たちはここでセットを組む実習をしたり、実際にセットを使ってシーンを撮影したりします。オープンキャンパスでは、必ずこのスタジオ見学があります。なかなかほかでは見られない光景なので、ぜひ見てもらいたいものです。