こうがっかん

皇學館大学

私立大学 三重県

皇學館大学/私のイチオシ

「図書館とは何か?」をさまざまな角度から問いかける図書館情報学

顔写真
文学部 国文学科 岡野裕行先生

※掲載内容は取材時のものです

コレ知ってる?

私たちが何気なく過ごしている日常風景の中に建つ石碑に何が刻まれているか、あなたは知っていますか? 私たちの現在の暮らしにつながるまちの歴史や文化をたどるための資料を提供することも、図書館が行っている魅力的な活動のひとつです。
私の専門分野である図書館情報学は、「図書館とは何か?」をさまざまな切り口から問い続ける学問です。図書館に関する研究と言われると、図書館資料(図書、雑誌、新聞、デジタル情報などの特性)や図書館職員(司書としての仕事内容)、図書館利用者(利用者の求める情報やサービス)など、図書館という建物内部の日常的なできごとや読書空間としての機能や環境などが研究対象になると思われがちです。
しかし、実態としての図書館サービスはそれぞれの土地ごとの風土や文化に根ざす施設ですので、建物外部で起こっているさまざまなできごとも仕事の対象となります。各地につくられているまちの図書館が重要視しているのは、そのまち独自の文化に関する「地域資料」です。そのまちで起こったできごとは、各地域の図書館が責任を持って資料を集めて残しておかなければなりません。図書館職員は「本に詳しい」ことももちろんなのですが、それ以上に「まちの文化や住民の暮らしに詳しい」ことが求められています。

この学問のココがおもしろい!

図書館についての学問は、主に「図書館資料そのものの特性」(たとえば、図書館の蔵書構成、資料収集や廃棄の基準、点字資料や音声資料などの多様なメディア形態)や、「図書館職員の業務内容」(たとえば、調べ物を援助するレファレンスサービス、情報検索やデータベースの活用方法、読み聞かせなどの児童サービス)などの観点から研究されることが多いです。
一方、「図書館利用者がどこからどのように情報を得ているのか」という観点もあります。これは利用者の「情報行動研究」と呼ばれますが、「人はどのように本を入手し、どのようにそれを読むのか」も重要な研究テーマになります。簡単に言えば、「読書」(本を読むこと)や「読者」(本を読む人)についての研究です。
私たちはどのように「本を読む」という体験をしているでしょうか。どういう環境で「読書」をしているのでしょうか。私たちの「読書」(紙媒体だけではなくデジタル情報も含む)と、両親や祖父母が若かった頃の「読書」の環境とはどのように違うでしょうか。あるいは、目の見えない人はどういう風に本を読むのでしょうか。こういった論点を探ってみると、私たちが当たり前のものと考えている「読書」「読者」が違ったものに見えてくると思います。

キャンパスのお気に入りスポット

附属図書館には入手不可能な絶版本も所蔵

私は附属図書館をおすすめします。図書館には古典から近現代文学にいたるまで、本学の国文学科の学びに必要な資料が多数そろっていますので、それぞれの興味・関心に合わせて、ぜひ文学に関する学びを深めてもらいたいと思います。既に新刊書店では入手できなくなっている絶版本のほか、復刻本などもたくさん並んでいますので、いろいろと手に取ってみるとおもしろいと思います。
また、図書館の2階は「ラーニングコモンズ」と呼ばれるスペースになっていて、友人と相談したりデジタル機器を活用しながら日常的な学びや研究を行ったりすることができます。そのほか、日常的にさまざまな展示を行っていますので、それらを通じて興味・関心の幅を広げてもらえたらと思います。また、図書館1階の窓際のカウンターでは自由にお茶を飲むこともできます。勉強に疲れたときにはこの場所でほっとひと息をつくこともおすすめです。

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