京都女子大学/私のイチオシ
社会におけるメディアの作用や役割を考察
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
動画共有プラットフォームのアプリで毎日欠かさず今の流行をチェックする人も多いことでしょう。これらのサービスでは「おすすめ」の動画を再生してくれるレコメンデーション機能が便利ですが、他人に表示される「おすすめ」と見比べてみたことはありますか? おそらく「おすすめ」のされ方が違っているはずです。
レコメンデーション機能は、皆さんがアプリを使う際の利用情報全般(動画や音楽の好み、スマホの利用場所、アクセス時間、音量、他の機器との組み合わせなど)を収集し、その情報をもとに「おすすめ」を決定します。つまり、皆さんがアプリを使えば使うほど、自分のデータ全般をプラットフォーム企業に無償提供しているのです。ちょっとゾッとしますよね。
社会学の中のメディア研究領域では、こうしたデジタルメディア環境の技術的な仕組みや、その政治的な作用についても批判的に考えています。
この学問のココがおもしろい
私の専門であるメディア研究という領域では、人やモノ同士のコミュニケーションを媒介するもの全般を「メディア」として捉えた上で、社会におけるメディアの作用や役割について考察しています。そこでは、コミュニケーションの内容というよりは、そのやり取りを成立させる方法や形式(技術的な仕組みや法的な制度、文化的な慣習)に着目する点が特徴的です。
例えば、知り合いに連絡する時に、同じようなことを伝えようとしているはずなのにアプリによって書き方が変わってしまった経験はありませんか。メディアの形式が異なれば、メッセージの内容は何かしらの影響を受けてしまうのです。普段のコミュニケーションでは意識することの難しいメディアの作用を明らかにすることを通じて、私たちの日常生活における「常識」を疑って考えていけることが、メディア研究の魅力です。
キャンパスのお気に入りスポット
大学図書館「交流の床」にあるカジュアルスタディスペースは、大きな窓で囲まれた明るく広いスペースで、飲食しながらおしゃべりもできる空間です。普段は学生たちが思い思いに課題に取り組んだり、友人とおしゃべりをしています。
また、ここでは各学部の研究室がファッションや文学に関する展示やトークイベントを開催しています。そうした展示やイベントを実施することは、メディアを効果的に活用する試みという点でも興味深いものです。オープンキャンパスで、ぜひ訪れてみてください。