大学・学部選び基礎知識

子どもの大学・学部選びにあたって、保護者も「知識」を身につけましょう。 大学は今、変革の真っただ中にあります。例えば、より多様化する世の中の人材ニーズや少子化を受け、「環境○○学部」「グローバル○○学部」といった「流行のキーワード」を盛り込んだ学部名が増えています。名前だけでは何が学べるのかがわからない場合も多いため、大学・学部選びに関する情報収集は欠かせません。 さまざまな大学・学部について深く知り、社会経験のある保護者ならではの「生きたアドバイス」を子どもに贈りたいものです。

早めの情報収集が成功のカギ 大学・学部選びは高1から

大学・学部選びのための情報収集は早いに越したことはありません。下記の「大学・学部決定の流れ」にあるように、高1の秋には文系・理系を決めなければなりません。それまでには世の中にどのような学問があるのか、そして興味のある学問が学べる大学について調べ始めるよう、子どもに声をかけましょう。
その後、高2の秋ごろには高3の春からの履修科目を選択します。そのときに選択した科目が受験で使う科目となるので、マナビジョンなどを活用して情報収集を行い、高2の秋までには志望大・学部の候補を決めておきましょう。

大学・学部決定の流れ

高1・春~夏 職業・学問研究

高1の秋までに文系・理系を選択することが多いため、夏前から興味のある職業や学問の内容などを調べておく。
職業名から職業を探す(別ウィンドウで開きます)
好きな教科から学問を探す(別ウィンドウで開きます)

高1・秋 文理選択

調べた内容をもとに、文系・理系のどちらに進むのかを決定。
文理選択の考え方

高2・前半 大学・学部・学科研究

興味のある大学・学部・学科について調べる。夏休みにオープンキャンパスに参加する。
学べる学問から大学を探す(大学検索)(別ウィンドウで開きます)

高2・後半 科目選択

調べた内容をもとに、行きたい大学・学部・学科について候補を3~5大学程度に絞る。それらの大学・学部・学科の入試科目に合わせて高3からの履修科目を決定する。

高3・前半 第1志望大・学部 最終決定

夏休み以降、第1志望大の出題傾向に合わせた対策を行うためにも、模試の結果などを活用しながら、夏休み前までに第1志望大・学部を決定する。

高3・秋 併願大決定

併願する大学・学部を決定。私立大の場合は、どの方式で受験するかまで決めておく。

高3・大学入学共通テスト後 出願大・学部見直し

国公立大志望の場合、大学入学共通テストの結果によって、急きょ、出願大・学部を変更することも。候補の大学・学部は前もって考えておきたい。

保護者としておさえておきたい 大学・学部選びのポイント

高校時代に納得のいく志望大選びができたかどうかは、子どもの大学生活の満足度や、将来の職業選択にも影響する重要なポイントです。子どもが将来、「あのときこうしていれば」という後悔をすることがないよう、保護者も大学・学部選びのポイントをおさえておきましょう。

ポイント1 職業と学問とのつながりを理解する

例えば、将来就きたい職業が医師ならば、医学部に進む必要があるなどのように、逆算すると選択すべき大学・学部がおのずと決まってくることがあります。また、「先生になりたい」という子どもの場合、教員免許が取得できる大学・学部なのかどうかなど、資格についても同時に調べてみる必要があるでしょう。
将来につながる「学問」の探し方

ポイント2 似た名前の「学部・学科」を比較する

大学では、学部・学科の新設や改組・名称変更が盛んに行われています。最近は、学部名だけでは「いったいその学部で何が学べるのか」がわからないことが多くあります。また似た名前の学部・学科でも学べる内容が異なることも多くあります。マナビジョンを利用して、いろいろな学部・学科を比較検討しましょう。
大学比較(別ウィンドウで開きます)

ポイント3 難易度・偏差値を調べる

保護者はまず、大学の難易度や偏差値に目が行きがちです。子どもの現状の成績と比べて保護者が先にあきらめてしまう、という声も少なくありません。しかし、「行きたい大学」を持った子どもの多くが、受験直前まで成績を伸ばすことも事実です。可能性を信じる気持ちを持つことが大切です。また、成績は主観的に判断するのではなく、模試など客観性の高いデータを参考にしましょう。

ポイント4 大学の立地や雰囲気を確認する

大学の「学風」が合うかどうかは、見落としがちですが大切な観点です。小規模でアットホームな大学、大規模マンモス大学、または、交通の便が良い都市型のキャンパスや、豊かな自然に恵まれた郊外型のキャンパスなど、大学の雰囲気や特徴を知ることも大切です。ぜひ親子で大学に足を運んでみましょう。また、一人暮らしを想定する場合は物価や家賃の相場など、保護者ならではの観点で大学や大学周辺の環境を見てみましょう。

ポイント5「進学にかかるお金」について話し合う

進学する大学・学部によってかかる学費は異なります。子どもの志望大が通学圏内でない場合は、一人暮らしのための生活費も考える必要があります。また、近年、私立大を中心に奨学金制度が充実しています。子どもが私立大を希望する場合、「お金がかかるからNG」と決めつけずに奨学金情報を集めてみることをお勧めします。一度、進学にかかるお金のシミュレーションを行うと安心でしょう。
入学から卒業までにかかるお金 生活費編
受験にかかるお金を抑える方法

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