入学から卒業までにかかるお金 生活費編

大学生活にかかるお金を考えるときに、学費以外で見逃せないのが生活費。特に、子どもが自宅外から通学する場合は、住居費や食費なども気になります。金額のめやすを事前に確認して、資金準備に役立てましょう。

毎月の生活費

家賃や食費を合わせた毎月の生活費も、自宅生と自宅外生ではかなり差が見られます。特に自宅外でも学生寮以外のアパートなどに住む場合は、水道光熱費などもかかるため、毎月まとまった金額が必要になります。一方、自宅生の場合は、家賃などが不要なため毎月の生活費は自宅外生に比べて低いケースが圧倒的です。ただ、自宅から遠距離通学する場合は、交通費が意外とかかることもお忘れなく。

月々の学生生活費の内訳(居住形態別)

自宅 学寮 下宿・アパート・その他
食費 7,375 19,525 21,867
住居・光熱費 ・・・ 23,442 37,950
保健衛生費 4,158 3,767 4,400
娯楽・し好費 11,392 9,433 10,825
その他日常費 12,433 13,575 14,275
合計 35,358 69,742 89,317

※日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査」より、大学学部・昼間部の年間平均データを12で割った額
(単位:円、小数点第1位を四捨五入)

保護者の声

自分の仕事が行き詰まって仕送りが十分にできず、子どもには生活費のためアルバイトばかりさせることになってしまった。それでもがんばって成績優秀者に選ばれたようで、大学から奨学金をいただいた。しっかり者の子どもにはいくら感謝しても足りないぐらいだ。
(広島県/N・S/女性保護者・45歳)
自宅外通学をさせるなら、下宿やアパート探しはできるだけ早めに進めておいた方がいい。入学直前に慌てて決めたのでリーズナブルな物件が見つからず、毎月の住居費が思った以上にかさむことになった。
(大阪府/T・F/男性保護者・51歳)

Q.毎月の仕送りはどのくらい?

A.仕送り額は月に約9万円という調査結果も

首都圏の大学生を対象にアンケート調査を行う東京私大教連の「私立大学新入生の家計負担調査(2023年度)」によると、出費が落ち着く6月以降の仕送り月平均額は8万9300円でした。一方、家賃の平均は6万9,700円であり、仕送り額から家賃を差し引いた生活費の平均額は、1日あたりわずか653円(1万9600円÷30日)という厳しい現状も見えてきます。仕送りが家計にとって大きな負担であると同時に、アルバイトをして生活費や学業の経費を補う子どもへの負担も重くなっているようです。

Q.「自宅生・私立大」VS「自宅外生・国公立大」 学費+生活費はどちらが安い?

A.条件にもよるので、希望進路を話し合って概算してみましょう

大学の所在地や学費、学部系統によっても変わってくるため、一概には言えません。しかし、同じ学部系統で比較した場合、両方のパターンでかかる総額はほとんど変わらないようです。条件によっては、自宅から私立大に通った方がお金がかからないケースも。進学先について子どもと早めに話し合い、「国公立大か私立大か」「文系か理系か」「自宅か自宅外か」などの要素をもとに、どのくらいお金がかかるかを概算してみましょう。希望の進路がはっきり定まっていない場合は、いくつかのケースを想定してシミュレーションしておくと安心です。

居住形態別・年間でかかる大学の学費と生活費(単位:円)

私立大・自宅通学生 国立大・自宅外通学生(下宿・アパート・その他)
学費
(授業料、その他学校納付金、修学費などの合計)
1,305,700 582,400
生活費
(食費、住居・光熱費、保健衛生費などの合計)
426,100 1,099,400
合計 1,731,800 1,681,800

※日本学生支援機構「令和4年度学生生活調査」の「居住形態別・収入平均額及び学生生活費の内訳(大学学部・昼間部)」より引用

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