奨学金の種類と申し込み方法

大学合格後は初年度納付金や新生活の準備金など、出費がかさみます。学費や生活費を支援してくれる奨学金について紹介します。

奨学金の種類と申し込み方法

奨学金の種類

奨学金は、進学に必要な学費や生活費を支援してくれる制度です。大学卒業後に返還する「貸与」型と、返還の必要がない「給付」型があります。
返還の有無、支給金額、申込資格などは団体によって異なります。また、高校在学中に申請が必要な場合もあるので、早めの情報収集が大切です。

奨学金制度のほかに、私立大では入試で優秀な成績を修めた受験生を対象とした特待生制度を設けている場合もあります。 また、公立大では、大学が設置されている地域出身の学生を優遇する「地元出身者優遇制度」があり、地域外の出身者よりも学費が安くなります。

主な奨学金制度

1.日本学生支援機構(旧:日本育英会)

最も多くの学生に利用されている国の奨学金制度で、貸与型と給付型があります。
※記載の金額は2024年4月現在

■貸与奨学金
無利子の第一種奨学金と利子がつく第二種奨学金(在学中は無利子)があり、どちらも卒業後に返還の必要があります。適用条件や貸与金額の上限は、世帯構成や収入などにより変わるので、日本学生支援機構ホームページの「進学資金シミュレーター」で試算するといいでしょう。参考までに第一種の月額貸与金額は、自宅外から国公立大に通う場合は20,000~51,000円、私立大に通う場合は20,000~64,000円です。

■給付奨学金
経済的理由で大学や専門学校への進学を断念させないよう設けられた、返還不要の奨学金です。世帯構成や収入、国公私立の区分や通学形態(自宅/自宅外)などによって、給付額は月額7,300円~75,800円。2024年度から支援が拡大し、多子世帯や私立理工農系分野に通う中間所得層の学生も対象になりました。
また給付奨学金の対象者は、進学先で申請すれば授業料や入学金が減免される制度もあります。

2.大学独自の奨学金制度

大学が独自に設ける貸与型や給付型の奨学金で、特に私立大で充実しています。入学試験や在学中の成績が優秀な学生を対象にした特待生制度では、授業料の一部あるいは全額が免除(給付)になることも。入学後に家計が急変したり、地震など自然災害で被災したりして、学費の支払いが困難になった学生を支援する奨学金などもあります。また最近は、高校在学中に申請できる予約型奨学金のある大学も増えています。

3.地方自治体の奨学金制度

自治体が設置している奨学金で、貸与型(無利子)が多く見られます。世帯収入や学業成績のほか、保護者がその自治体の住民であることが条件になっているところが多いです。また、日本学生支援機構の奨学金との併用が不可の場合もあるため、よく調べておきましょう。

4.民間団体・その他の奨学金

保護者が病気や事故で亡くなったり障害を負ったりした場合に、その子どもを支援する団体(例「あしなが育英会」や「交通遺児育英会」など)の奨学金制度や、新聞配達員として働くことで奨学金が受けられる新聞奨学生制度などがあります。

奨学金の申し込み方法

日本学生支援機構の奨学金は、在籍している学校(高校や大学)を通じて申し込みます。
ポイントは、高校在学中に進学後に受け取る奨学金を予約する「予約採用」と、大学進学後に申請する「在学採用」の2つがあるということ。大学入学後、すぐに奨学金を受け取りたい場合、「予約採用」を申し込むといいでしょう。なお、「在学採用」は、大学入学直後に募集があり、大学を通じて申請する形となっています。
大学独自の奨学金制度の場合、受験時にすでに「奨学生」として募集がある場合や、大学入学後に申請、面接などを経て支給が決まる場合などさまざま。志望校の場合、どのような仕組みになっているのかを調べておくといいでしょう。

保護者の声

高校在学中に日本学生支援機構の奨学金の予約を取っておきました。最初は「二種・利息あり」しか取れませんでしたが、大学入学後、大学を通じて、一種の無利息の枠が少しあるということがわかりました。そこで、資料をもう一度そろえ、提出するとうまく通りました。
(京都府/S・T/女性保護者・52歳)
父親のリストラなどで金銭面はかなり厳しかった。奨学金の手続きは高校3年生の後半に予約する形を取ったので、4月からの奨学金が早めにもらえ、入学準備金もローンを組んだが、なんとかまかなうことができたのはよかった。県外での一人暮らしは思っている以上にお金がかかる。
(青森県/S・S/女性保護者・42歳)

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