アドミッション・ポリシーとは？大学からのメッセージを読み解く！

2025/01/28

子どもと大学の相性を考える際に、参考にしたい重要な資料が「アドミッション・ポリシー」です。保護者世代にはあまりなじみのない言葉かもしれませんが、どのように活用できるのか、解説していきます。

大学が独自に定める３つのポリシー

2017年度からすべての大学に対し、次の「３つのポリシー」の策定が義務づけられています。

ディプロマ・ポリシー（卒業認定・学位授与の方針）

カリキュラム・ポリシー（教育課程編成・実施の方針）

アドミッション・ポリシー（入学者受け入れの方針）

大学はまず、独自の教育理念や建学の精神をもとにディプロマ・ポリシーを定め、それを達成するために必要な教育方針としてカリキュラム・ポリシーを定めます。この２つのポリシーをふまえ、どのような入学者を受け入れるかを定めたものがアドミッション・ポリシーです。

大学が「どのような人を入学させ」「どのように育て」「どのような力を身につけさせて卒業させるか」という３つのポリシー（方針）を公表することで、入学から卒業まで一貫した質の高い教育が行われると期待されています。

進路検討や受験にアドミッション・ポリシーを活用する！

志望校選びに役立てる

３つのポリシーを読めばその大学の教育の全体像がわかるため、進路検討の際にはぜひ目を通しておきたいものです。特に「どんな人に入学してほしいか」を示したアドミッション・ポリシーは重要です。大学が求める人物像や求める能力のほか、どのような入試でどういった力を評価するのかも記されているので、その大学が子どもに合っていそうかを判断する材料にもなります。志望校がまだ決まっていない場合は、気になる大学をいくつか読み比べてみるといいでしょう。アドミッション・ポリシーは、大学のパンフレットや募集要項、ホームページなどで確認できます。

ほとんどの大学は、大学、学部、学科ごとにアドミッション・ポリシーを定めています。
まずは大学のアドミッション・ポリシーを読み、その大学の大まかな校風や建学の精神を理解しましょう。次に学部のアドミッション・ポリシーを読みます。例えば経済学部と商学部では、求める人物像が異なるので、学部・学科のアドミッション・ポリシーはより細かく具体的にまとめられています。求める能力や入試での評価方法も、確認しておきたいポイントです。

自己申告書の作成や面接試験で役立てる

特に総合型選抜や学校推薦型選抜で受験する場合は、出願時に自己申告書を提出したり、面接で志望理由を聞かれたりすることが多いので、アドミッション・ポリシーは必ず熟読しましょう。「ほかの大学でなく、なぜその大学を志望するのか」を説明したり、「こういった点から“大学の求める人物像”に合致している」と自己PRしたり、アドミッション・ポリシーを意識して訴えることで、大学側に熱意が伝わりやすくなります。

アドミッション・ポリシーはこう読む！

一例として千葉大国際教養学部のアドミッション・ポリシーをもとに、読み取るべきポイントをまとめました。

出典：千葉大国際教養学部（2025年１月現在　千葉大ホームページより抜粋）

１．入学者に求める資質・能力は何か

大学や学部の教育理念をふまえ、めざすべき人材を育成するために、どんな人物を求めているのかが記されています。「国際的な素養」「学問分野の垣根を越え」「優れた言語運用能力」など、書かれているキーワードが子どもに当てはまるか考えてみましょう。

２．どのような力を、どのように評価するか

大学が求める人物像に合致した人を選抜するために、どのような入試方式を用意し、どんな評価方法を使うのかが記されています。出題の背景にある大学の考えを知ることにより、一歩踏み込んだ対策も可能になるでしょう。大学によっては入試方式ごとのアドミッション・ポリシーを用意していることもありますので、あわせて確認を。