キミはいくつ知ってる!? 大学の「講義」と高校の授業の違い

大学の講義って高校の授業とは何が違うの?泊まり込みの講義があるって本当?大学の「講義」にまつわる基礎知識を紹介。
大学では自分専用の時間割を作成し、好きな講義を選んで受講できる
高校では、新年度に時間割が配布され、その時間割に従って授業が行われることが多い。一方、大学では、学びたい講義を自分で選び、自分専用の時間割を作成するところが大きく異なる。
新年度になると「履修登録」と呼ばれる申請を行う。自分が受けたい講義を事前に申請するが、人気の講義は抽選になることもある。
主に入学初年度には「一般教育科目」と呼ばれる、幅広い知識や教養を身につけるための講義を受講することが多いが、所属学部や進学したい学部の専門科目に加えて、他学部や他大学の講義を受講できる場合もある。高校とは異なり、幅広い選択肢のなかから講義を選べることも、大学の講義の特徴だ。
大学用語の解説
履修登録 | 学年や学期が始まる前に、自分が受けたい講義を事前に選んで大学に申請すること。シラバスで講義の内容を確認しながら選ぶ。人気の講義は抽選になることもある。 |
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一般教育科目 | 幅広い知識や教養を身につけるための科目のことで、主に1、2年次に受講することが多い。「基礎教養科目」「全学共通科目」など、呼び方は大学によってさまざま。これに対して、学部・学科と関係の深い特定の内容を学ぶ「専門教育科目」がある。 |
他学部聴講制度 | 所属する学部以外の講義を聴講することができる制度。卒業に必要な単位として認められているケースと、講義を受けることはできても単位として認められないケースがある。 |
単位互換制度 | 協定を結んでいるほかの大学の講義を受けた場合、所属する大学の単位として認定される制度。自分の大学にない分野の科目が学べるメリットがある。ただし、履修できる単位数や認定される単位数などには制限がある。 |
講義のスタイルは、座学から屋外での実習まで
大学では、講義のスタイルもさまざま。教室で講義を受けることが中心の座学形式から、遠隔で講義が受けられるリモート授業、校外に出かけるフィールドワークがあるものなど、幅広い。フィールドワークを実施する講義のなかには、長期休暇中に遠隔地へ出かけ、泊まり込みで集中的に講義を行う場合もある。
講義の要旨は「シラバス」にまとめられている。講義の目的や進め方などが書かれているので、どのような講義なのか事前によく確認してから履修登録することになる。
大学用語の解説
フィールドワーク | テーマや調査内容を設定し、調査対象となる地域に出かけて調査などを行うこと。実地での見聞、体験を通して、文献資料だけではわからない成果が得られる。地理学、文化学、生物学など、多くの学問分野で実施されている。 |
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シラバス | 講義などの要旨がまとめられたもの。講義名、教員(教官)名、取得単位数、講義の目的や進め方、取り上げるテーマ、教科書、テスト(評価方法)などの情報が記されている。学生はシラバスをもとに、履修する科目を選択する。 |
卒業に必要な単位数の確認を忘れずに
大学を卒業するためには、卒業論文の提出など、卒業に必要な条件がある。そのうちの1つが「単位」だ。総講義時間によって取得可能な単位数が異なってくるので、講義を選ぶ際は単位数に注意する必要がある。
また、卒業要件として必ず履修しなければならない科目が「必修科目」だ。卒業時に単位数が足りていても、必修科目に不足がある場合は卒業できないので、こちらも忘れないようにしたい。
大学では自分の好きなように講義を選ぶことができるが、同時に「必修科目」や必要単位数も、自分の責任で把握するようにしよう。
大学用語の解説
カリキュラム | 大学、あるいは学部・学科独自に、学生に身につけさせたい教育内容を体系化・編成した教育計画のこと。大学では、カリキュラムに沿った講義が用意されており、必修科目以外は学生自らが受けたい講義を選ぶことができる。 |
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単位 | 講義科目を「単位」と呼ばれる学習時間数に区分して修得していく方式のこと。講義科目や実験、実習、実技ごとに取得できる単位が決まっており、年次ごとに取得できる単位の上限も設定されている。 |
必修科目 | 大学で履修する科目のなかで、卒業要件として必ず履修しなければならない科目が「必修科目」。いくつかの科目から選択できる「選択必修科目」もある。これらに対して、自由に選べる科目を「選択科目」と呼ぶ。 |
このように、大学の「講義」は高校とは異なる部分が多い。入学前に少しでも知っておくことで大学への理解を深め、受験勉強に向けてのモチベーションにつなげよう!