夏休みの受験勉強どう進める?「受験を制す」ための夏計画

「夏を制する者は受験を制す」とよくいわれるように、受験生にとって夏休みは合否にかかわってくる大切な期間だ。この長期休暇を生かすには、受験勉強の優先順位を見極め、戦略的な計画を立てられるかがカギになる。効果的なプランニングで長い夏を乗り切ろう!
【STEP1】 目標にする「総学習時間」を決めよう
計画を立てる前に、目標とする夏休みの「総学習時間」を決めよう。学校の補講やオープンキャンパスなどわかっている予定をピックアップして、毎日どれくらい時間が取れそうか考えるといい。意気込むのはいいが、「全部で500時間」「1日15時間」など、無理な目標を掲げるのはNG。思わぬ予定が入ることもあるので、現実的にできそうな目標にしておくのが無難だ。
【STEP2】志望校の入試科目や配点の変更点を確認しよう
もし受験を考えている大学の、入試科目や配点の最新情報を確認できていないならば、ちょっと待って!限られた時間のなかで効率的に勉強するためにも、まずは受験勉強の手を止めて情報収集の時間を確保しよう。
キミがこれまでに調べて認識している志望校の受験科目や配点は、昨年度の入試情報ではないだろうか。キミたちが受験する年度の入試要項が発表されていたら、入試科目や配点を必ずチェックしておこう。
調べ方は簡単!マナビジョンの「大学を調べる」から、大学名を検索ボックスに入力して、各大学の「入試」ページへアクセス。学部学科や入試種別ごとに調べることができるぞ。
【STEP3】 配点×入試科目から優先科目とパワーバランスを決めよう
夏休み中に達成したいのが、「基礎固め」と「苦手克服」。授業がない夏休みだからこそ、まとまった時間を使って一気に終わらせたいところだ。
効率的に苦手をつぶしていくためには、まず勉強する科目の優先順位をつけること。その際に大事なのは「受験科目の図式化」だ。難しく考えずに、次のフォーマットを参考にして、STEP2で調べた自分の志望校の配点と受験予定の科目を当てはめてみよう。なお大学入学共通テストと個別試験は分けて考えてみることをオススメする。

縦の軸では、受験科目の配点が大きいか、小さいかで分けて、横の軸では、受験科目が自分にとって比較的得意か、苦手かで分けてみよう。そのなかで優先順位の高い勉強は、なんといっても「苦手意識×高配点の科目」。2番目に優先度が高い科目は「苦手意識×低配点の科目」だ。
それでは試しに「受験科目の図式化」を、国公立大・理系受験を考えている受験生を例にして考えてみよう。
共通テストの場合

個別試験の場合

共通テスト、個別試験の場合を整理すると、このようになったとしよう。どちらの場合も「苦手意識×高配点の科目」=数学をまずどうにかしないといけないことがわかるだろう。次に優先順位が高い科目は、「苦手意識×低配点の科目」=日本史と国語の古文・漢文。「配点が低いし、ほかの科目でカバーすればいい」という発想は落とし穴だ。入試は総合点で決まるので、苦手科目をそこそこに仕上げるのも重要だ。
【STEP4】 科目ごとに取り組む勉強内容を決め、予定表をつくろう
STEP1とSTEP3を照らし合わせると、各科目に割ける勉強時間が見えてくるはず。その時間をもとに、科目ごとに取り組む勉強の内容を、細かく決めよう。「○ページまで参考書を進める」「問題集を◯周」と、できるだけ具体的にするのがポイントだ。何に取り組むか迷ったら、模試の成績表や定期テストの答案を見直して、苦手な分野を明確にしてから、その対策を考えるといいだろう。
学習内容が決まったら、1日ごとの勉強の予定をカレンダーに書き込もう。ただ「英語を1時間」とアバウトに書くよりも、「英語:問題集を5ページ」など、使う教材や分量まで書いた方が実行しやすくなるし、計画の進捗も把握しやすくなるぞ。
毎日ギチギチに勉強を詰め込むのは、あまりオススメできない。予定が崩れたときにばん回するのが難しくなって、勉強のモチベーションが下がってしまう。週に1日は何も予定を入れない「予備日」をつくっておき、遅れが生じても対応できるようにしておこう。
長時間にわたる夏休みの勉強はつらい面もあるけれど、がんばった分だけ秋以降の自信につながるだろう。さあ、さっそく「受験科目の図式化」をして、戦略的な勉強計画を立ててみよう。これからの勉強の質がグッと上がるはず!