北海道医療大学/私のイチオシ
日常に潜む条件づけを発見・検証するおもしろさ
※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
皆さんは「パブロフの犬」という言葉をご存じでしょうか。
これは、犬がエサを見ると唾液が出る生理的反応を、ベルの音と結びつけて学習させ、ベルを鳴らすだけで唾液が出るようになる実験です。本来、犬にベルの音を聞かせても特別な反応は起こりませんが、このような手続きで生じる反応は条件反応と呼ばれ、この一連の手続きと現象を学習心理学では「古典的条件づけ」と呼んでいます。
梅干しやレモンを見ただけで唾が出る、お昼のチャイムが鳴るとおなかが空くなど、私たちの日常生活にも多く見られます。
この学問のココがおもしろい
最近、カフェインレスコーヒーでもカフェイン入りのコーヒーを飲んだ時と同じようなパフォーマンスが出る、ノンアルコールビールを飲んだだけでお酒を飲んだ時のような反応が起こるなど、飲み物の風味によって条件反応が生じるかどうか調べる研究を行っています。これは、普段飲んでいるコーヒーやビールの風味が引き金となって条件反応が生じていると考えられます。
また、古典的条件づけは広告のマーケティング戦略にもよく使われます。好感度の高いタレントと売り出したい商品を一緒に登場させることで、商品の好感度を高めています。このように、日常に潜む条件づけを発見、検証していくことがおもしろいです。
キャンパスのお気に入りスポット
当別キャンパスの裏山にはたくさんの桜の木が植えられており、春になると美しい景色が広がります。授業の合間には学生さんたちがお散歩したり、ピクニックを楽しんだりしている姿が見られます。私もお昼休みに裏山や薬草園を散策し、季節ごとに移り変わる花々に癒されています。勉強に専念したい時には集中できて、少し息抜きしたい時にはリフレッシュできるこの環境がとても気に入っています。