奈良大学/私のイチオシ
庶民の普通の暮らしから、歴史の変化や文化の移り変わりを考察

※掲載内容は取材時のものです
コレ知ってる?
江戸時代には、お正月を年に2回、迎えることがありました。真夏にお餅をついてお正月行事をするようなこともあったようです。なぜ、そんなことをしたのでしょうか?
お正月は1年の始まりです。「お正月からは、それまでとは違った新しい1年になる」という考えがあり、疫病が流行したり、災害が頻発したり、よくないことが続いた時に、それをリセットするために1年の途中で「お正月」をやり直すことがあったようです。嫌なことが続いた時にはみんなで気持ちを切り替える、昔の人の知恵だったのかもしれません。
もし今、1年に2回お正月があったら、お年玉も2回もらえるかも?
この学問のココがおもしろい!
私の研究は、地域で生活していた庶民の普通の暮らしから、歴史の変化や文化の移り変わりを考えるものです。
高校で学ぶ日本史・世界史の登場人物を思い出してみてください。多くは男性で、権力者ですよね。歴史の舞台はどうでしょう。平安時代・鎌倉時代・室町時代・江戸時代といった言い方に象徴されるように、ほとんどが政治権力の中心地が舞台です。高校で学んできた歴史は、政治の中心地で、権力をもつ男性が関わった政治や事件、闘争ばかりだったのではないでしょうか。
私はこれまで、お祭りや年中行事、芸能、さらには妖怪までいろいろなものを研究対象としてきました。これらは、どれも高校の歴史の時間に学ぶことはないかもしれませんが、私たちの身近な事柄から歴史を考える、おもしろさにあふれた研究分野だと思っています。
キャンパスのお気に入りスポット

私のイチオシは、なんと言っても図書館です。
蔵書は約58万冊。2014年には、日本考古学協会から文化財に関する専門書6万冊以上が寄贈され、文化財専門書だけで15万冊以上もの蔵書があります。
しかも、一部の貴重書などを除いて、ほとんどが開架になっているので、誰でも手にとって本を選ぶことができます。
オープンキャンパスで訪れたら、ぜひとも図書館にも足を運んでください。図書館では、思いがけない「知」の世界との出会いが待っているかもしれません。